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北朝鮮の金正恩委員長「新たな原子力潜水艦の設計研究終わった」

登録:2021-01-11 05:34 修正:2021-01-11 06:36
金委員長、朝鮮労働党第8回大会事業総和報告で 
「強力な国防力は外交成果の担保手段」と強調 
「戦術核兵器」の開発も…韓・日への影響にも注目すべき
金正恩朝鮮労働党委員長が今月8日、労働党第8回大会4日目の会議で発言している様子/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の「労働新聞」は9日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新たな原子力潜水艦の設計研究が終わり、最終審査段階にある」と明らかにしたと報じた。

 「労働新聞」の報道によると、金委員長は朝鮮労働党第8回大会で行った3日間の事業総和報告(以下「報告」)で、「原子力潜水艦と水中発射核戦略兵器を保有することに関する目標が示された」としたうえで、このように述べたという。金委員長が「原子力潜水艦の開発」を公開したのは今回が初めて。

 これに先立ち、金委員長は労働党中央委員会第7期第5回全員会議(2019年12月28日~31日)で、「世界は遠くないうちに朝鮮民主主義人民共和国が保有する新たな戦略兵器を目撃することになるだろう」と予告した。金委員長が予告した「新たな戦略兵器」が、今回開発事実を初めて公開した「新たな原子力潜水艦」のようだ。

 ただし、金委員長は「強力な国家防衛力は決して外交を排除するわけではなく、正しい方向に推進し、その成果をもたらす威力的手段になる」とし、「原子力潜水艦」の開発などを外交の「威力的な手段」として活用する意向を示した。

 金委員長は「近いうちに極超音速滑空飛行戦闘部の開発・導入に関する課題、水中及び地上固体発動機大陸間弾道ロケットの開発事業を計画通り推進する」計画を明らかにした。また「近い内に軍事偵察衛星を運用して偵察情報収集能力を確保し、500キロメートル前方縦深まで精密偵察できる無人偵察機をはじめとする偵察手段を開発するための最重大研究事業を本格的に推進することについても言及した」と、「労働新聞」が報じた。

 労働新聞の報道によると、金委員長は「戦術核兵器の開発」も強調した。金委員長は「戦術核兵器を開発し、超大型核弾頭の生産も持続的に推し進めることで、核脅威がやむを得ず伴う朝鮮半島地域での各種軍事的脅威をめぐる主動性を維持し、徹底的に抑制し、統制管理できるようにしなければならない」と述べたという。

 北朝鮮がこれまで開発してきた核弾頭を装着した大陸間弾道ミサイル(ICBM)が主に米国を狙ったものである一方、金委員長が今回開発の意志を明らかにした「戦術核兵器」は理論的には韓国と日本にも適用され得る兵器体系だ。金委員長の「戦術核兵器の開発」の意図に注目する必要がある。

 金委員長は「1万5000キロメートル射程圏内の任意の戦略的対象を正確に打撃・消滅させる命中率をもっと高め、核先制および報復打撃能力を高度化することを目標」と示したと、「労働新聞」が報じた。米国を直接取り上げたわけではないが、事実上米国本土が射程圏内に入った「火星-15型」など既存の大陸間弾道ミサイルの精度の向上を求めたのだ。

 金委員長は「国家防衛力を一瞬たりとも滞ることなく強化しなければ、米国の軍事的脅威を抑制し、朝鮮半島の平和と繁栄を成し遂げることはできない」とし、「国家存立の礎であり、国と人民の尊厳と安全、平和守護の頼もしい担保である国家防衛力の持続的な強化に関する革命的立場を厳粛に示した」と、「労働新聞」は報じた。また金委員長は「作られた情勢の中での現実は、軍事力の強化において満足などありえないことを改めてはっきり示している」と強調した。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/978012.html韓国語原文入力:2021-01-0913:53
訳H.J

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