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韓国、療養所など100万人にワクチン優先接種計画「来年9月までに集団免疫形成を」

登録:2020-12-29 00:42 修正:2021-01-07 14:25
新型コロナワクチン、来年2月から接種開始 
COVEXのワクチンも第1四半期の導入目指す
ドイツ南部シュツットガルトのロベルト・ボッシュ病院で今月27日(現地時間)、新型コロナウイルスワクチンの移動接種所を運営する車両と医療陣が待機している。彼らは療養院などを回り、ファイザー、ビオンテックのワクチンを接種する予定だ/AFP・聯合ニュース

 韓国政府は来年2~3月から高危険群の患者が入院している医療機関従事者や療養病院など集団施設に入所している高齢者など100万人を対象に、新型コロナウイルスワクチンの接種を始めることにした。来年9月までには国内の集団免疫の形成が可能な水準に接種率を高める計画だ。

 中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長は28日の定例ブリーフィングで、「ワクチンが国内に供給される来年2~3月から直ちに接種できるようにし、優先接種推奨対象者に対する接種はインフルエンザ流行時期(11月)までに完了する計画だ」と述べた。政府が検討している優先接種勧奨対象者は、医療機関従事者や療養病院など集団施設入所者及び従事者、65歳以上の高齢者、危険度中等度以上の19~64歳の慢性疾患患者、小児青少年教育・保育施設従事者、新型コロナ1次対応要員、警察・消防公務員・軍人などだ。

 このうち、療養病院など高危険群が密集している所の医療陣と入所者などを最優先接種対象にする方針だ。チョン本部長は最優先接種対象の規模は「約100万人前後」になると予想した。政府は来年2~3月中に、アストラゼネカのワクチン150万回分(75万人分)をまず国内に導入する計画だという。

 防対本部側の説明によると、政府は来年9月ごろの集団免疫形成を目指し、ワクチンの供給時期を繰り上げる一方、追加確保のため、個別製薬会社と協議しているという。チョン本部長は同日、「少なくとも来年第3四半期までには優先順位の上位を占める接種対象者(3600万人)への接種を完了することを目標にしている」と明らかにした。集団免疫形成のためには人口の60~70%の抗体形成が必要だという学界の意見を前提にすると、国内では約3109万~3628万人のワクチン接種を完了しなければならないが、チョン本部長が同日明らかにした目標がこれに当たる。

 政府がこれまで供給契約を完了した新型コロナワクチンは3600万人分、合わせて6600万回分であり、モデルナとは1000万人分のワクチン供給のための契約書を検討している。ワクチンの共同購入・配分のための国際プロジェクト「COVAXファシリティ」を通じて確保する予定のワクチンは、来年第1四半期を目途に導入に向けた協議が進められている。ヤンセンは第2四半期、ファイザーは第3四半期に入る予定だ。チョン本部長は「(政府が確保した)4600万人分のワクチンは韓国の全人口の88%に該当する」とし、「ワクチンの接種可能人口である18歳以上の4410万人の104.3%に当たる」と述べた。問題は各製薬会社が全世界的にワクチンを契約時期に合わせて供給できるかどうかだ。チョン本部長は「来年第1四半期から第3四半期までにワクチンの導入が集中している状況なので、最大限接種インフラを構築し、短期間で多くの接種ができるようにしたい」と述べた。

 防疫当局はワクチンが国内に導入されてから国民が接種を受けるまでに必要な流通・保管準備も整えている。まずファイザーのワクチン(-60~-90度)など冷凍流通が必要なワクチンに対しては、超低温冷凍庫を配置した接種センターを約100~250カ所指定して運営する一方、来年第1四半期内に超低温冷凍庫250台を用意するため購入手続きを進めている。また、冷蔵保管・流通(2~8度)可能なワクチン(アストラゼネカなど)は予防接種の経験がある委託医療機関を指定し、接種を施行する計画だ。ドイツなどでワクチン運搬などと関連した問題点が確認されたことを受け、政府でも厳しい「コールドチェーン」を維持するため、「新型コロナワクチンの流通と保管に関するガイドライン」を作成し、流通と供給を点検する方針だ。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/976239.html?fr=st1韓国語原文入力:2020-12-2820:55
訳H.J

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