数億ウォン台の収賄容疑で起訴されたものの一審で無罪判決を受けたキム・ハグィ元法務部次官が、控訴審で実刑を言い渡され、法廷で拘束された。キム元次官は2013年3月に法務部次官に任命されたが、動画を通じて性接待疑惑が明るみになった。それから約7年を経てようやく出た有罪判断だ。
ソウル高裁刑事1部(チョン・ジュニョン裁判長)は28日、特定犯罪加重処罰法違反(収賄)容疑で起訴されたキム元次官に対し、懲役2年6カ月、罰金500万ウォン(約46万円)、追徴金4300万ウォン(約396万円)を言い渡した。同高裁は判決理由について、「キム元次官は、高位公務員たる検察の最上級幹部として、誰よりも高い道徳性と清廉さを持って公平に職務を遂行せねばならず、黙々と自らの使命を全うする他の検事に模範を示すべき立場だったにもかかわらず、長期にわたって経済的利益を得るなど、その罪は非常に悪質」と述べた。
同高裁はまた、キム元次官が2000年から2011年にかけて、建設業者のC氏から受け取った5100万ウォン(約469万円)のうち、4300万ウォンを賄賂と認定した。同高裁は「2000年から2011年にかけて部長検事、法務部検察課長、公安企画官として勤務していたキム元次官に様々な形の経済的利益を提供することで、自身が行っている施行事業について再び特捜部の調査を受ける状況が発生した場合、キム元次官を利用して解決しようとの考えを持っていた」として、C氏が渡した金品の対価性を認めた。
しかし、2006年から2008年にかけて、建設業者のユン・ジュンチョン氏から約3000万ウォン(約276万円)相当の賄賂を受け取るとともに、江原道原州市(ウォンジュシ)の別荘などで13回にわたって性接待を受けた容疑などについては、一審と同様に公訴時効が成立しており、罪を問うことはできないとして免訴判決を言い渡した。自身に性接待を提供した女性がユン氏に返済しなければならない1億ウォン(約920万円)の債務を免除させた容疑(第3者贈収賄)も無罪と判断した。