本文に移動

文大統領、相次ぐ宅配労働者の過労死に「特別対策を急げ」

登録:2020-10-21 04:11 修正:2020-10-21 09:39
女性非正規労働者にも格別に気を使うよう要請
文在寅大統領が20日午前、大統領府で国務会議を開会し、議事棒を叩いている/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は20日、宅配労働者たちの相次ぐ過労死について「これ以上残念な事態が発生せぬよう、特別対策を急いでほしい」と指示した。

 文大統領はこの日、大統領府で開かれた閣議で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特別雇用労働者などの既存制度の死角地帯に置かれている労働者の暮らしをさらに崖っぷちに追いやっている。近ごろ相次いで発生している宅配労働者の過労死問題が端的な例だろう」と述べた後、このように語った。今年に入って死亡した宅配労働者は10人にのぼる。特に今月8日と12日には、40代と30代の宅配労働者が相次いで疲れを訴えて死亡するなど、秋夕連休後の1週間だけで3人が命を失っている。12日に死亡した30代の労働者Kさんは、会社の同僚に「とてもきつい」とのメッセージを送っていたことが分かり、市民の悲しみを誘った。宅配労働者過労死対策委員会は、先月の実態調査の結果、新型コロナ以前には247.3件だった宅配労働者の1日の平均配送件数が、新型コロナ拡大後には313.7件に増えたと発表している。宅配労働者は、代理店の事業主が保険料の50%負担を忌避しているため、労災保険にもまともに加入できていない。

 文大統領は「政府は特殊雇用労働者、フリーランスの芸術家など、新たな形の労働者を緊急雇用支援の対象とするとともに、雇用保険の適用を拡大するなど努力してはいるものの、まだ足りない」とし「政府は死角地帯を確実に減らしていくために、劣悪な労働者の労働実態の点検と労働監督をさらに強化し、持続可能な対策を講じてほしい」と指示した。4日前の16日にも文大統領は「宅配労働者の労災保険適用が除外されている実態を徹底的に点検せよ」と指示している。

 さらに文大統領は、新型コロナによって非正規女性労働者などの社会的弱者が打撃を受けないようにしてほしいと要請した。文大統領は「災害はまず弱者に近づき、弱者にとってより過酷なものだ」とし「女性労働者の割合が特に高い看病人、放課後教師、保育など、非正規労働者たちは新型コロナ感染の危険にさらされており、新型コロナによって雇用が減少し、経済的に大きな苦痛に直面している。彼らの苦痛を和らげるための政策を点検し、必要な支援策を講じてほしい」と述べた。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/966432.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2020-10-20 10:51
訳D.K

関連記事