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「南北協議チャンネルの復元と対話再開を望む」…統一部長官、板門店を初訪問

登録:2020-09-17 06:10 修正:2020-09-17 10:37
イ・イニョン統一部長官、9・19平壌共同宣言2周年を3日後に控え 
就任後初の板門店訪問 
「“南北の時間”再開のため、南北共同の努力を続けるべき」 
イ・イニョン統一部長官が今月16日、板門店を訪問して、文在寅大統領と金正恩委員長が2018年4月27日に初の首脳会談を記念して松の木を植え「平和と繁栄を植える」という標示石を建てた場所の前で、記者会見をしている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 イ・イニョン統一部長官は16日、「早期に南北共同連絡事務所を含む(南北)協議チャンネルが復元され、虚心坦懐な対話が再開されることを望んでいる」と述べた。

 イ長官は「9・19平壌共同宣言」2周年を3日後に控えて板門店を訪れ、「(南北)双方の指導者の決断を完成させ、“南北の時間”を再開するためには、今後も南北共同の努力を続けなければならない」とし、このように述べた。

 イ長官は「南(韓国)側で発生した水害被害同様、北側で発生した被害についても残念に思っている」とし、「適切な契機に互いに連帯と協力を実現できることを期待する」と述べた。さらに「自力で水害・台風被害を復旧しようとする北側の強い意志を尊重しなければならない」としながらも、「例えば、農作物の作況の変化で生じる困難などを見ながら、時には国際社会と協力・協調し、助けになる方法があれば支援すべきだ」と強調した。台風の被害で作況が悪くなれば、対北朝鮮食糧支援に乗り出す意思があることを示したのだ。

 イ長官は就任52日目にして初めての板門店を訪問した意味を「9・19平壌共同宣言と9・19軍事分野合意の意義を評価し、それを履行する意志を表明するもの」だと述べた。さらに「中東と西南アジアの国境紛争や南シナ海をめぐる軍事的緊張に比べ、南北関係は相対的に安定している」とし、「軍事的緊張が緩和し、接境地域の平和状態が維持されていることは最も高く評価されるだろう」と指摘した。また「約束は守られなければならない。合意は履行を通じて完成する」と繰り返し強調した。

 イ長官は「我々は合意の履行のために努力している」とし、「北側も合意を遵守しようとする意志を持っていると思う」と述べた。

イ・イニョン統一部長官が今月16日午前、板門店の軍事境界線を視察している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 イ長官は「相互敵対行為をしないことにした南北合意を遵守するため、立法過程を通じて対北朝鮮ビラ問題の解決に取り組んでいる」とし、「韓米合同軍事演習も様々な事項を考慮し、調整して施行した」と説明した。イ長官は「(北側の)南北共同連絡事務所の爆破は確かに遺憾」だったと指摘した。さらに金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「対南軍事行動の保留」の指示と拡声器再設置の中止など、北側の措置を挙げ、「北朝鮮は軍事合意を守っていると思う」と述べた。

 イ長官は「南北が今直ちに実行できる人道分野と交流・協力分野の“小さなアプローチ”から進めていくつもりだ」とし、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が安定すれば、10月からでも板門店見学と非武装地帯の平和の道を速やかに再開する」と述べた。また「保健医療、防疫協力、気候環境分野の人道協力は年間一定規模以上に行われてこそ、南北米が相互信頼を構築することができると思う」と付け加えた。

 イ長官は「(秋夕前に)金剛山(クムガンサン)や板門店(パンムンジョム)で離散家族再会を実現させる時間的余裕はないと思われる」としながらも、「テレビ電話を通じた再会やビデオレターを交換できる機会は、(南北の)意志があれば、作れるのではないかと考えている」と述べた。そして、「北側が応じれば、直ちに実行できる準備を整えている」と付け加えた。

イ・ジェフン先任記者、板門店共同取材団(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/962376.html韓国語原文入力:2020-09-16 19:38
訳H.J

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