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法務部の諮問機関「堕胎罪条項廃止」を勧告

登録:2020-08-22 02:31 修正:2020-08-22 07:14
「妊娠週数による処罰基準は不適切」 
憲法不合致により、今年12月までに立法を終える必要
昨年4月11日午後、ソウル斎洞の憲法裁判所前で、女性団体のメンバーたちが堕胎罪憲法不合致決定に喜びを表している=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 法務部の諮問機関である両性平等政策委員会(以下、両性平等委)は、憲法裁判所が違憲と判断した「堕胎罪条項」を廃止する刑法改正案を作成するよう、法務部に勧告した。法務部は更なる意見集約を経て、立法作業を始めることにした。法務部両性平等委(民間委員長キム・エリム)は21日、こうした内容を審議・議決し法務部に勧告を伝えた。

 憲法裁は昨年4月11日、刑法の堕胎罪条項(第270条1項)について「憲法不合致」決定を下し、2020年12月31日を期限として、立法者が刑法を改正するまでの期間に限って堕胎罪を適用することにした。憲法不合致とは、該当する法律は違憲であるものの、即時無効化による法の空白と社会的混乱を避けるために、期限付きで法改正までその法を存続させる決定だ。昨年4月には、正義党のイ・ジョンミ議員が堕胎罪廃止法案を発議しているが、第21代国会の発足後は、まだ堕胎罪関連法案は上程されていない。

 両性平等委は法務部に対し、3つの事項を勧告した。第一に、堕胎罪による処罰から、女性が平等・健康・安全・幸せに妊娠・妊娠中断・出産できる権利を保障し、これによって胎児が健康・安全・幸せに出生・成長できる環境づくりへと、法と政策のパラダイムを転換すること。第二に、妊娠中止の非犯罪化に向け、刑法の堕胎罪を廃止する改正案をまとめること。ただし、女性の嘱託または承諾なく妊娠を中止させたり、これを通じて女性を傷つけりしたた者を処罰する「不同意堕胎罪」を規定した条項(第270条第2、3項)は補完し、他の条項(傷害と暴行の罪)に置くこととする。第三に、女性家族部、保健福祉部、教育部などの関係省庁および市民社会団体と協力し、国民の性と再生産、健康権を保障し、望まない妊娠を効果的に予防するとともに、胎児が健康・安全・幸せに出生・成長できるよう対策を講じることだ。

 法務部がこの勧告に従って政策を進める際、妊娠の週数による処罰基準など、いくつかの留意すべき問題点も付け加えた。両性平等委は「妊娠の週数によって堕胎の許容と条件付き許容、不許可というふうに処罰基準を設けることは、身体的条件と状況がそれぞれ異なり、正確な妊娠週数を認知したり確認したりできない場合があるにもかかわらず、画一的に一定の妊娠週数を基準として刑罰を免除したり課したりするもの」とし「これは処罰基準の明確性に反するものであり、妥当ではない」と述べた。両性平等委はまた、「世界的な流れは、堕胎処罰の非実効制問題を経験し、その後に堕胎罪を廃止し、教育と社会サービスを強化するというもの」と説明した。

 法務部は21日、勧告に関し「政府の立場として確定されたものではない」とし「法務部は今回の勧告事項をはじめ、追加の意見集約手続きを経て、立法時限(今年12月31日)内に支障なく立法が行われるよう万全を期す予定」と述べた。

キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/958844.html韓国語原文入力:2020-08-21 19:05
訳D.K

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