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異常気象で勢い増した長梅雨、日本・中国の後に韓国を強打

登録:2020-08-04 05:56 修正:2020-08-04 15:21
北極の異常高温の影響で、北極の寒気が南下 
停滞前線・北太平洋高気圧が北に広がらず 
北上の道塞がれた梅雨前線、5日までさらに500ミリの豪雨
異常気象によって梅雨が直撃した韓中日//ハンギョレ新聞社

 2日間、300ミリを超える雨が降った韓国中部地方に、5日まで再び500ミリ以上の集中豪雨が予想され、さらなる被害が懸念されている。気象庁は台風4号の影響で、多くの雨がソウル・京畿道と江原道嶺西(ヨンソ)地方に集中すると予想している。中国と日本にそれぞれ141人と86人の人命被害をもたらした「異常気象による長梅雨」が今度は韓国で猛威を振るっている。

 気象庁は3日、「中部地方に豪雨特報が発令された中、4日までにソウルや京畿道、江原道嶺西を中心に突風や雷、稲妻を伴った1時間当たり50~100ミリ(一部地域120ミリ以上)の非常に強い雨が降る所があるもよう」と発表した。1日午後6時から3日午後4時まで300ミリ前後の雨が降ったのは、安城市一竹(アンソンシ・イルジュク)376.0ミリ、鉄原郡陽地(チョルウォングン・ヤンジ)287.5ミリ、丹陽郡永春(タニャングン・ヨンチュン)310.0ミリなど、京畿道と江原道嶺西、忠清北道に集中している。気象庁は5日までソウル・京畿道や江原道嶺西、忠清北部地方に多くは500ミリ以上の雨が降ると予想している。また、江原道嶺東(ヨンドン)、忠清南部、慶尚北道北部には50~150ミリの雨が降ると予想した。

 今年東アジアの梅雨シーズンに大雨が降った原因は共通しているものと見られる。気象庁のイ・ヒョンス気候予測課長は「気候変動による北極地方の異常高温現象が今年の東アジアの夏の異常気象を起こした原因」だと分析した。平年気温の2倍を超える異常高温現象が北極地方で発生し、その影響で上層のジェット気流の流れが弱まり、北極の寒気が中緯度地域まで南下する条件が整った。さらに、ウラル山脈と中国北東部に2つのブロッキング高気圧が作られ、中緯度に冷たい空気が供給され続けているという。

首都圏一帯の集中豪雨で漢江の水位が高くなった今月3日午後、ソウル盤浦大橋の下の潜水橋が水に浸かっている/聯合ニュース

 平年通りなら北太平洋高気圧が強く発達し、北に拡張しなければならないが、冷たい空気に遮られ、その間に形成された数千キロメートルの停滞前線も北上できず、上がったり下がったりを繰り返し、東アジア各地で集中豪雨現象を引き起こしている。中国は5月29日から南部から始まり、中部と北部まで約2カ月間豪雨が続き、江西省や安徽省、貴州省、湖北省などの中南部一帯で141人が死亡または行方不明になった。日本の場合、7月初めに九州地方で1カ月分の降水量が1日に降るなど、集中豪雨が1~2週間続き、82人が死亡、4人が行方不明になる被害が発生した。

 しかし、気候変動による東アジア地域の気圧計の変化は長梅雨の必要条件だが、特定の時期と地域に集中豪雨が降る現象を十分に説明することはできない。啓明大学地球環境学科のキム・ヘドン教授は「今年の記録的な豪雨現象は停滞前線だけでは解釈できない側面がある」とし、「大気の川(大気上層で起きる細長い水蒸気の流れ)のような水蒸気の供給源が停滞前線に重なると、1998年に智異山(チリサン)で発生したように豪雨が発生する」と述べた。公州大学大気科学科の チャン・ウンチョル教授は「最近発生している東アジア3カ国の降水現象は、北太平洋高気圧の縁に沿って発生するという点では類似している」とし、「同じ停滞前線上でも、中国は暖かい底で発達した赤雲系統の降水である一方、韓国は低気圧境界面が前線に合流して発達した降水であるように、韓日中いずれも厳密に言えば降水原理がそれぞれ異なる」と述べた。気候変動で最近強まる傾向を示している北太平洋高気圧の勢力が今年弱まったわけではない。北の寒気に押され、北太平洋高気圧が中国南部まで長く拡張したため、台風4号「ハグピート」が高気圧の端に沿って中国内陸に4日未明に上陸すれば、韓国は影響圏から解放される。しかし、北太平洋高気圧が今頃になると中国内陸や朝鮮半島を覆うはずだったが、南に偏り、台風が残した水蒸気が停滞前線に乗って、韓国に5日に流入する状況になった。

イ・グニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/956279.html韓国語原文入力:2020-08-04 02:16
訳H.J

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