「イルカの2頭に1頭が死んでいく所が水族館、いま止めなければまた死ぬ」
国内のクジラ類の飼育施設でベルーガ(シロイルカ)とハンドウイルカが次々と突然死する中、市民社会団体らが全羅南道の麗水(ヨス)のハンファアクアプラネットに残ったベルーガ2頭の放流を求める記者会見を開いた。
24日、動物自由連帯、ホットピンクドルフィンズなど12の海洋環境動物権団体は24日、ソウル中区(チュング)のハンファビルの前で記者会見を開き、「ハンファは残りのベルーガ2頭の放流を直ちに決め、海洋哺乳類の輸入を中止せよ」と要求した。20日、アクアプラネット麗水で雄のベルーガが突然死したのに続き、22日には蔚山南区(ウルサン・ナムグ)のクジラ生態体験館でもハンドウイルカが息絶えた。
彼らは「麗水のハンファアクアプラネットに住むベルーガ3頭のうち12歳雄の『ルイ』が20日に死んだ。野生のベルーガの平均寿命が30年以上であることを考慮すれば、クジラ類は水族館では正常に生きることができないという事実が改めて証明された」と主張した。
団体によれば、過去10年間に国内のクジラ類の飼育施設で死んだクジラとイルカの割合は50%に達した。イルカの死因は敗血症、肺炎あるいは腎臓疾患などだった。動物団体の活動家や獣医師は、クジラが飼育される狭い空間、ショーや体験に動員される際に受けるストレスなどが免疫力を低下させる要因になりうると指摘する。
海で数千キロメートルを動き、水深700メートルまで潜水するベルーガには、わずか7メートルの深さの水槽は、監獄と同じだということだ。彼らは「イルカ2頭のうち1頭が死んでいく所、それが水族館」だと述べ、「水族館を訪問してチケットを買い、写真を撮ってシェアをするすべての行為が、この残忍なシステムに貢献している」とし、水族館の訪問をやめるよう訴えた。
イッカククジラ目に属すベルーガは、主に北極海やオホーツク海、ベーリング海などの冷たい海に棲息する。最大体長4.5メートル、重さ1.5トン、平均寿命は30~35年だ。通常10~20頭の家族が群れで生活し、人間のような複雑な社会生活を送る。これらの団体は、ベルーガやイルカのように社会性が強く行動半径が極めて広いクジラ類には水族館は特に過酷な環境だと主張する。
そのため、米国やカナダ、インドおよび欧州連合の多くの国家は、すでにイルカを含むクジラ類の展示やパフォーマンスを禁止する積極的な保護政策を取り入れている。中国のいくつかの水族館はイルカを代替できるロボットイルカを取り入れ、まもなく公開する予定だ。
これに先立ち、ベルーガ2頭が突然死したソウル松坡区(ソンパグ)のロッテワールドアクアリウムは昨年、最後に残ったベルーガの放流を発表した。一方、ハンファグループの系列会社のハンファホテルアンドリゾートが運営するアクアプラネット水族館事業は、済州(チェジュ)と麗水だけでなく、一山(イルサン)と光教(クァンギョ)にも拡大しているのが現実だ。
団体らは「今回のベルーガの突然死事件は、アクアリウム事業は持続可能でもなく、倫理的でもないということを世間に示した」とし、「いま変わらなければ、また別の死を迎えるしかない」と強調した。
麗水ハンファアクアプラネットの関係者は「正確な死因の究明のために、現在、解剖検査を進行している。ベルーガは麗水エキスポ財団側の資産であるため、放流の可否などを独断で決めることはできない。財団と協議して話し合う」と説明した。