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新型コロナ感染経路めぐる自治体間の微妙な神経戦

登録:2020-07-20 04:10 修正:2020-07-20 08:51
済州道とソウル市、接触者の自己隔離の時期めぐり攻防 
光州市、松坡区の60人目の感染者を警察に告発
光州に3日間滞在した松坡区の60人目の感染者と食事会を持った親類縁者やn次接触とされた光州と全羅南道の住民12人が、相次いで陽性判定を受けた。写真は松坡区の60人目の感染者から始まるn次感染の発生した光州北区のある職業専門学校の様子//ハンギョレ新聞社

 地方自治体の間で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の連鎖感染経路をめぐり、微妙な神経戦が繰り広げられている。新型コロナウイルスには境界がないことから、地方政府間の協力が切実に求められるという声があがっている。

 19日の済州道などの説明を総合すると、済州翰林邑(ハンリムウプ)で確認された4人の感染者の感染源は、9日に済州を訪れたソウル市広津区(クァンジング)に住むAさんであることが把握された。Aさんは9日、娘が住んでいる済州を訪れ、4泊5日の滞在中にサウナや食堂などを訪れ、ソウルに戻った後の16日に陽性判定を受けた。このため、翰林邑では1122人が診断検査を受け、118人が自己隔離に入っている。

 済州道は17日、翰林邑の小規模な市中感染発生について、「Aさんを感染させた江南区(カンナムグ)の91人目の感染者の陽性判定日である13日から、迅速かつ正確な疫学調査を行っていれば、被害を最小限に抑えることができた」という立場を表明した。これに対しソウル市は17日、釈明資料を発表し「13日にはAさんが接触者だという供述が出ておらず、Aさんを自己隔離対象に分類できなかった」と説明した。これに対し済州道は18日、再び報道資料を出し「今回の事態を招いた原因に対する釈明と見なすことはできない」と反論した。

 光州(クァンジュ)および全羅南道では、ソウル松坡区(ソンパグ)の感染者から始まるn次感染が懸念されている。光州で18日と19日に陽性判定を受けた11人と全羅南道の新規感染者1人が、松坡区の感染者であるBさんの接触者であったり、Bさんにつながる2次感染者と把握されたためだ。Bさんは今月10日から12日まで光州を訪れ、親戚と食事を共にしたことで感染が起こった。今月15日に松坡区で確定診断を受ける過程でも、Bさんは動線を具体的に供述しなかった。光州市は、Bさんの親戚からの通報を受けて追跡し、感染源を探り出して松坡区役所に通報した。

 光州市は、偽りの供述で感染拡散を招いたBさんを感染症予防法第18条に基づいて警察に告発しており、損害賠償請求も検討する方針だ。光州市のイ・ヨンソプ市長はこの日、「松坡区の感染者の嘘の供述などでゴールデンタイムを逃し、すでに2次感染が始まっている」と批判した。

チョン・デハ、オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/954237.html韓国語原文入力:2020-07-19 16:00
訳D.K

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