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携帯電話には一日の配送先だけで300軒…また宅配労働者が死亡

登録:2020-07-08 23:04 修正:2020-07-09 06:49
倒れたCJ宅配労働者、ついに死亡 
新型コロナで物量急増、一日16時間働き 
5月にも40代の同僚が過労で死亡 
宅配労組「政府が再発防止策を」
今月8日、ソウル市中区のCJ大韓通運の本社前で、過労死した宅配労働者ソ・ヒョンウクさんの死に責任を取らないCJ大韓通運を糾弾する記者会見が開かれた=チョン・グァンジュン記者//ハンギョレ新聞社

 CJ大韓通運の慶尚南道金海(キムヘ)のある代理店で7年間にわたって働いてきたソ・ヒョンウクさん(47)は今年、いつもより忙しく飛び回っていた。長いときには1日16時間も走り回らなければならなかった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で物流量が急増したからだ。「最近よく胸が痛む」。ソさんは2カ月前から友人たちにたびたび話していた。仕事に追われて病院に行く時間もなかった。

 先月28日、ソさんはついに倒れた。階段も登れなくなり、自ら宅配車を運転して病院に向かった。「急性心筋梗塞」だった。何度も手術を受けたが、ソさんは再び起き上がることのないまま5日早朝に亡くなった。ソさんの姉のソ・ヒョンジュさんは「弟の携帯電話にインストールされた宅配アプリを見たら、一日に300軒の家を訪問するほど大変な仕事をしていたが、家族にはそんなそぶりも見せなかった」と涙声で話した。

 COVID-19により物量が集中し、宅配労働者の過労死が相次いでいるが、企業は「特殊雇用労働者」だという理由で彼らの犠牲を傍観しているという批判が出ている。8日、民主労総サービス連盟全国宅配連帯労働組合は記者会見を開き、CJ大韓通運を糾弾した。

 CJ大韓通運所属の宅配労働者の死は、今年に入って2人目だ。これに先立つ5月にも、元気だった同社の宅配労働者のJさん(41)が、睡眠中に「あっ」と声を上げ、意識不明の状態に陥って死亡した。健康だったJさんが急に死亡した原因は「過労」のせいだと同僚たちは口をそろえる。彼はCOVID-19の拡散後の3カ月間、1日平均500個を超える物量を14時間も働いて処理してきたという。

 労組は政府にも対策を求めた。「特殊雇用労働者に分類される宅配労働者の労働者性を認め、相次ぐ死の責任を元請が負うようしなければならない」ということだ。宅配労組のチン・ギョンホ首席副委員長は「労災申請するために代理店長などに勤務資料を出せと要請したが応じていない。遺族に弔意を示し、再発防止対策を立てることを要求する」と述べた。

 CJ大韓通運側は「遺族にお悔みを申し上げる。宅配従事者が安全に宅配業務を行えるよう支援する」と述べた。

チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/952870.html韓国語原文入力:2020-07-08 22:01
訳C.M

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