新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による「学習権被害」を訴える大学生たちが、授業料の返還に取り組まない大学を相手取って訴訟を起こす。授業料返還の財源の一つに挙げられる積立金をめぐって、学生と大学側の主張が明確に分かれている。
全国大学学生会ネットワーク(全大ネット)は28日、「授業料返還訴訟人団の募集に計3951人が申請した」と発表した。全大ネットは30日までに申請者ごとの訴訟を最終的にまとめた後、7月1日にソウル瑞草区(ソチョグ)のソウル中央地裁前で記者会見を開き、訴状を提出する予定だ。全大ネットは各大学と教育部を相手取って起こした今回の訴訟で、「授業料の一部に対する不当利益の返還請求」「債務不履行による損害賠償責任」などを問う計画だ。このように学生たちが訴訟戦を繰り広げることになったのは、大学が授業料を返す余力が十分あるにもかかわらず、目を背けているという判断によるものだ。大学が今後の建築費、奨学金、研究費などに活用するために貯めている積立金がその根拠の一つだ。
大学教育研究所が2019年会計年度の私立大学の校費会計決算書を確認した結果、全体153校のうち、今年2月末基準の累積積立金が1000億ウォン(約90億円)を超える大学は20校に上った。弘益大学が7570億ウォン(約677億円)で最も多く、延世大学(6371億ウォン=約570億円)、梨花女子大学(6368億ウォン=約569億円)、水原大学(3612億ウォン=約323億円)がそれに続いた。これらの大学を含め、積立金が100億ウォンを超える大学は計87校で、積立金の合計は7兆7220億ウォン(6900億円)に上る。授業料の返還に向け口火を切った建国大学の累積積立金は847億ウォン(約76億円)、建国大学に続き特別奨学金という形で授業料の一部を返還することにした漢城大学の累積積立金は188億ウォン(約17億円)程度だ。
しかし、大学側は「大学の授業料の据え置きが長引いている中、私立大学の持続可能な生存のため、積立金は(授業料返還の用途には)使用できない」と難色を示している。これに対し、大学教育研究所のキム・ヒョウン研究員は「授業料返還のためにまず大学が最大限自助努力をしなければならない」とし、「特に、老朽化した教室の増改築のための建築積立金に限り授業料を積み立てることができるが、少なくとも今年だけでもこのようなやり方で授業料を残してはならない」と指摘した。