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[ニュース分析]独走批判を押し切り…スーパー与党、「働く国会」を掲げて突破

登録:2020-06-16 06:54 修正:2020-06-16 10:53
「憲政史上初」単独で常任委員長を選出 
 
パク議長「COVID-19・南北関係で危機 
国民の生命より大切なものはない」 
対立続き、常任委員を強制割当 
 
民主党、法制司法委員長の席を獲得 
公捜処など検察改革の動力を確保 
統合党、「一党独裁の始まり」と反発
共に民主党議員らが15日、第21代国会の前半期の常任委員長の選出のために本会議場に向かっている。未来統合党は会議場に行く途中の場所で与党を糾弾するシュプレヒコールを叫んでいる=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 第1野党が不参加の中、共に民主党が15日、未来統合党を除外して一部の常任委員長の選出を強行し、第21代国会の任期序盤から政局が早くも凍りついた。第1野党が不参加のまま常任委員長が選出されたのは、1967年以来、初めてだ。しかし、当時は野党が初めから国会に登録せず国会法上の交渉団体ではなかったため、今とは状況が異なる。文字通りの「憲政史上初の事態」を巡り、「巨大与党の独走」という懸念と「働く国会」への期待が共に入り乱れた。

 パク・ビョンソク議長は同日午後、国会本会議で「国家的危機の状況で法で定めた国会の開院日がすでに一週間も過ぎた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機や南北関係の危機を前に、国民の生命と安全を守り、生活を支援することより大切なものはない」とし、「時間をさらに費やしても、(与野党が)合意に至る可能性は薄いと考えた」と明らかにした。与野党が法制司法委員会を巡り一歩の譲歩もない対立を続けると、パク議長が「常任委員の強制割当」という強引な手段まで使い、常任委員長選出の強行に打って出たのだ。

共に民主党所属のユン・ホジュン議員(上列左から)、ユン・フドク議員、ソン・ヨンギル議員、ミン・ホンチョル議員(下列左から)、イ・ハギョン議員、ハン・ジョンエ議員が15日、国会本会議でそれぞれ当選の挨拶をしている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 民主党は最大限早期に全ての常任委員会を開始して第3次補正予算案の審査に突入し、「働く国会」を浮き彫りにする計画だ。民主党が委員長選出を「強行」する形はその場では負担になるが、実際に常任委員会が動き始め、統合党がこれに反対するのであれば、世論が民主党側に傾くのは時間の問題だということだ。民主党の院内指導部の関係者は「明日からただちに可能な常任委員会をすべて動かす。常任委員長が選出されない常任委員会も幹事を選出して省庁業務の報告を受けるなど、何でもすることになるだろう」と明らかにした。

 今回、民主党は、法制司法委員長の席を得たことにより、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の発足を始めとする検察改革への動力を得ることになった。昨年、ファストトラック(迅速処理対象案件)を経て公捜処設置法、検察・警察捜査権調整法などを処理した民主党は、今後、公捜処長の人事聴聞会法と国会法の改正などの後続作業が残っている。立法の門番役を務める「常任委員会」を確保したということは、これまで民主党が公言してきた立法課題を容易に処理できるようになったことを意味する。ただし、民主党は公約通り、これまで「法制司法委員会の越権」と指摘してきた体系・字句審査権の廃止の議論を進めるものと見られる。また、企画財政委員会、保健福祉委員会、産業通商資源中小ベンチャー企業委員会を開始し、第3次補正予算案の処理を始めとするCOVID-19への対応に早期に乗り出せるようになった。国防委員長と外交統一委員長を占めたことも、4・27板門店宣言の批准同意、対北宣伝ビラ散布の規制など、最近悪化した南北関係を突破する立法手段を確保するようになったことを意味する。

チュ・ホヨン未来統合党院内代表が15日夕方、国会本会議場で常任委員会の構成に関して発言している=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 統合党は猛烈に反発した。チュ・ホヨン統合党院内代表は、本会議の表決前の議事進行発言で「与野党の合意なしに常任委員長の選出案を出したことが誤りであるだけでなく、制憲国会以来初めて野党の常任委員を一方的に強制割当し、憲政史に記録を残した」とし、「歴史は、今日を国会が消えて一党独裁が始まった日と記録するだろう」と批判した。チュ院内代表は本会議の直後、議員総会が進行された国会予算決算特別委員会の会議場に戻り、イ・ジョンベ政策委員長と共に辞意を表明した。

 しかし統合党は、場外闘争などの極端な対立は避けることにした。常任委員が強制配分される「屈辱」を体験する姿を見せて「与党独走」を強調すると同時に、議員活動には参加するツートラック対応に乗り出す計画だ。統合党のある再選議員は「民主党の傲慢が国会を順調に進ませないようにしたが、統合党は国会の中で闘争するという方針が固まっている」とし、「補正審査から問い詰めることは問い詰め、やることはやる」と述べた。

イ・ジヘ、ノ・ヒョウン、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/949499.html韓国語原文入力:2020-06-16 02:45
訳M.S

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