日本軍「慰安婦」被害女性たちが居住する「ナヌムの家」の後援金の流用と人権侵害の疑惑を告発した内部職員たちが9日、「ナヌムの家をハルモニ(おばあさん)と国民のもとに返してほしい」という大統領府の国民請願をあげた。彼らは、これまで後援金を法人口座に受け取りながら放漫に運営してきた「社会福祉法人大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」理事らの責任をともに問うべきだと主張した。
国民請願をあげたナヌムの家歴史館のキム・デウォル学芸室長はこの日、ハンギョレに「ナヌムの家の運営問題は正義記憶連帯とは分離して考えなければならないのに、これを混同する人が多い。長い間(法人理事の座にいた)曹渓宗の僧侶たちが、ナヌムの家に関してどのように誤った管理してきたのか、きちんと知らせたかった」とし、「現在、関連捜査も遅々として進まず、理事らはきちんと責任を負わないまま施設長の辞表を受理するなど、“とかげの尻尾切り”で一貫している」と批判した。
職員たちは、「ナヌムの家の問題は今も進行中」だと請願にあげ、「関連省庁に請願を入れてマスコミへの情報提供を始めたところ、法人理事らは曹渓宗傘下の社会福祉財団で働いていた運営スタッフ2人を急いで採用し、彼らは来るなり不正事実の証拠が多い前事務局長の物品を整理した」と主張した。そして、後援金の募集および使用行為の違法性に対する徹底した捜査▽後援金流用の再発防止▽管理監督機関である京畿道と広州市(クァンジュシ)の責任強化▽法人理事らに対する責任ある措置などを要求した。
職員らは「法人理事らはすべての責任を施設運営陣に押しつけたが、すべての事態の責任は理事らにある」とし、「彼らが反省せずにこの事態が静かになるのを待って、再び後援金の主人になりすますことがないようにしてほしい」と強調した。また、「ナヌムの家は単純な療養施設ではないため、日本軍『慰安婦』問題と戦争後の戦争被害者の生について知ることのできる歴史の場として発展、継承されなければならない」とし、「何より、現在生活しているハルモニたちに対する惜しみない支援が最も優先されなければならない」と付け加えた。
これに先立ち、法人理事らは2日に理事会を開き、ナヌムの家の施設の運営を担当していたアン・シングォン前所長とキム・ジョンスク前事務局長の辞表を受理した。