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トランプ、中国との軋轢を口実に「WHO脱退」

登録:2020-05-31 20:37 修正:2020-06-01 07:21
「中国がコントロール」理由明らかにしたが 
新型コロナ対応失敗の責任転嫁
ドナルド・トランプ米大統領//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が29日(現地時間)、世界保健機関(WHO)とのすべての関係を断つと明らかにした。WHOの最大後援国である米国が、中国との軋轢を口実にWHOからの脱退を宣言したことで、新型コロナウイルス(COVID-19)事態に対する緊密な国際共助の可能性は一層希薄になった。

 トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスでの記者会見で「私たちは彼ら(WHO)が取らなければならない改革方案を用意したが、彼らは行動を拒否した」として「我々は今日、WHOとの関係を断ち、支援金を別の緊急な国際保健上の必要に再配置する」と述べた。彼は「米国が4億5千万ドルを出していて、中国は4千万ドルしか出していないのに、WHOを完全にコントロールしている」と付け加えた。

 これに先立ってトランプ大統領は18日、本人のツイッターを通じてWHOの「中国偏向性」を論じ立て、今後30日以内に改善策を出さなければ会費の納付を中断し脱退を検討すると明らかにしたが、これを行動に移したわけだ。

 国際社会は憂慮の声を上げた。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン執行委員長などはこの日声明を出し、トランプ大統領のWHO脱退決定を再考するよう促した。彼らは、今は協力を強化し共同の解決策を見出す時だとし「多国的努力による国際協力と連帯は世界が直面したこの戦いで勝利する唯一の効果的で実行可能な道」と主張した。

 米国のWHO脱退決定は、新型コロナ対応失敗に対する責任転嫁の性格が濃厚だ。11月に大統領選挙を控えたトランプ大統領は、3月末に米国が世界最大の新型コロナ被害国に浮上すると、持続的に中国とWHOを非難し責任を転嫁してきた。

 トランプ大統領は就任以後、米国や本人の利益に符合しないと判断すれば、国際協定や条約、機関などから容赦なく脱退し、国際社会が維持してきた秩序を揺さぶってきた。環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP・2017年)やパリ気候変化協約(2019年)からも脱退し、ユネスコ(2017年)や国連人権理事会(2018年)からも手を引いた。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/947226.html韓国語原文入力:2020-05-31 19:14
訳J.S

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