共に民主党指導部がユン・ミヒャン比例代表当選者をめぐる疑惑に関連し、「事実関係の確認が先」という公式見解を示した。物議を醸している正義記憶連帯(正義連)の会計不正疑惑などについて、外部機関の監査が行われているだけに、「党レベルの真相調査」や「進退の整理」を要求する段階ではないという立場を表明したのだ。
カン・フンシク共に民主党首席代弁人は20日午前、国会で開かれた最高委員会議後のブリーフィングで、「正義連が要請した外部会計監査と行政安全部など該当機関の監査結果を見て総合的に判断し、今後の立場を表明する」と述べた。同日の最高委で、イ・ヘチャン代表は「党が(疑惑に)一々釈明すると、振り回されることになる。釈明と検証は市民団体が行い、党はそれについて立場を明らかにすればいい」と述べたと、ある出席者が伝えた。
しかし、正義連の会計問題だけでなく、ユン・ミヒャン当選者個人の財産形成過程についても疑惑が持ち上がっている状況で、党が最小限の事実関係すら確認しないのは問題だという指摘もある。キム・ヘヨン最高委員は同日の会議で、「ユン当選者の関連事案を重く受け止めている国民が増えている。こうした疑惑について検察の捜査を待つのではなく、(党が)速やかに真相を把握し、結果に応じた判断と措置を取るべきだ」と述べた。キム最高委員は、ユン比例代表当選者が4つの個人口座で10件の募金を行ったことについては、「取引内容を公開し、疑惑を解消すべきだ」と主張した。ノ・ウンレ議員も同日の午前、YTNラジオとのインタビューで「公正性と正義の部分が疑われ、国民の怒りが臨界点に達したと思う。党が速やかに事案の実体と真相を正確に把握しなければならない」と述べた。
与党指導部がユン当選者をめぐる疑惑解消に積極的でないのは、この問題が政界の攻防へと広がった場合、日本軍慰安婦問題の解決に向けた女性界や市民団体が展開してきた約30年間の活動の“正当性”が疑われねないという懸念のためとみられる。民主党関係者は「ユン当選者をめぐる問題は、個人の問題ではなく、進歩的価値ともつながる問題であるだけに頭を悩ませている」と述べた。
ユン当選者をめぐる疑惑が、第21代民主党比例代表当選者全般の“信頼危機”に広がる可能性もある。民主党比例代表当選者が論争に巻き込まれたのは「不動産投機疑惑」で除名されたヤン・ジョンスク当選者に続き2番目だ。総選挙直前、民主党が比例用衛星政党として急遽立ち上げた市民党は、1~10番に配置する候補者を選定する際、少数政党の公認申請者が検証過程で脱落したことを受け、活動分野が重なるユン当選者を代替人材として迎え入れた。比例代表の公募から候補が確定するまでにかかった期間は6日で、通常3~4週間かかった他政党の比例代表審査期間に比べて短すぎた。