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米、韓国に防衛費13億ドル要求…昨年比50%引き上げ

登録:2020-05-08 07:20 修正:2020-05-08 08:39
約50%増の年間約1兆5910ウォン提案 
ナッパー副次官補「韓国も柔軟性を示してほしい」 
韓国政府の「13%引き上げ」とは大きな差 
政府当局者「現実性がないのは同じ」
「平和と統一を開く人々」の活動家のイ・ジョンスク氏が6日、ソウル鍾路区の駐韓米国大使館前で防衛費分担金交渉中断を求めてリレー1人デモを行っている//ハンギョレ新聞社

 米国のドナルド・トランプ政権が第11次韓米防衛費分担特別協定(SMA)で、韓国に年間13億ドル(約1兆5910億ウォン、約1380億円)を要求することが確認された。昨年に比べると約50%引き上げられた規模だ。これは韓国政府が提示した13%引き上げとは相変わらず隔たりがあり、このまま合意される可能性は低いと見られる。

 米政府高官は7日(現地時間)、韓国メディアの質疑に「韓国政府に年間13億ドル水準の分担を要求した」と答えた。これは昨年韓米が第10次協定で合意した1兆389億ウォン(約905億円)から約50%増えた水準だ。

 米国が提示したこのような金額は、3月末に韓米防衛費交渉代表団が用意した暫定合意案をトランプ大統領が拒否した後、米国側が再調整して出した提案と見られる。両代表団は昨年比13%引上げ案に暫定合意したことがある。13%上乗せなら約1350億ウォン(約120億円)増えて総額は約1兆1740億ウォン(約1020億円)だ。米国が提案する金額はこれよりさらに約4170億ウォン(約360億円)多いといえる。

 これに関連して、米国務省のマーク・ナッパー韓日担当副次官補は5日、米戦略国際問題研究所(CSIS)のビデオセミナーで防衛費交渉に関して「我々は今まで非常に柔軟だったと思う」とし、「我々は韓国側にも一定の柔軟性を期待している」と述べた。 彼は「指導者らが最近話を交わした。我々は座って交渉する方法をずっと探している」としながら、「我々は常に公開しての交渉はしたくはないと言っている」と交渉の具体的状況は明らかにしなかった。

 しかし、米高官が「13億ドル」という金額をメディアに言及したのは、韓国の世論を喚起させて交渉のモメンタムを設けようとする意図ではないかとの解釈が出ている。米国は当初50億ドル(約5300億円)を要求したが、最近13億ドルまで下げたので、韓国もさらに前向きに出て来てほしいという話だ。

 それでも、米国の提案を韓国がそのまま受け入れる可能性は非常に低いと見られる。政府は既存の「13%引上げ案が最善」との方針を確固とさせている。外交部当局者は「政府の立場には変化がない。米国が言う金額は到達できない距離にある」とし、「私たちの立場としては現実性がないのは同じ」と語った。双方が距離を縮めようとするには相当な困難が伴うと見られる。

 韓米は昨年末に第11次交渉の期限を過ぎて、4月から在韓米軍の韓国人労働者の一部がこの余波で無給休職に入った。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/944096.html韓国語原文入力:2020-05-07 23:36
訳M.S

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