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北朝鮮、韓国GPに銃撃…軍「軍事合意違反」

登録:2020-05-04 02:17 修正:2020-05-04 07:55
合同参謀本部「韓国軍の人員と装備に被害なし」 
「警告放送および射撃2回対応措置」 
「北朝鮮の意図的な挑発の可能性は低い」
板門店の軍事境界線の標識。環境運動家ソ・ジェチョルさん提供//ハンギョレ新聞社

 休日の3日午前、中部戦線の非武装地帯(DMZ)で北朝鮮軍が銃弾を発射した。意図的な挑発の可能性は低いと軍当局は見ている。

 合同参謀本部は3日、「今朝7時41分ごろ、中部戦線の韓国軍GP(監視警戒所)に対し、北朝鮮側が銃弾数発を発射した。韓国側の人員と装備の被害はない」と公示した。当時、GP勤務者が銃声を聴きつけ、確認した結果、GPの外壁に銃弾4発の弾痕が残っていることを確認したという。事件発生地域は江原道鉄原(チョルウォン)の第3師団区域の非武装地帯だという。

 韓国軍は北朝鮮軍の銃撃に対し、対応マニュアルに沿って約10発の警告射撃を2回にわたって行った。軍当局者は「警告放送は、警告射撃を行った後に行われた」と明らかにした。

 軍が対応射撃で銃弾を20発あまりも発射したことや、警告放送なしにまず射撃をしたことは、過剰対応ではないかとの指摘が出ている。これに対し合同参謀本部関係者は「当時の現場指揮官が適切に現場の状況を判断し、うまく対応したと考えている」と釈明した。

 合同参謀本部は、北朝鮮が意図的に挑発した可能性は低いと見ている。軍当局はこうした判断の背景として、事故当時の現場には霧が濃く立ち込め、視界が1キロ前後と悪い状況だったこと、▽事故当時の時間帯が、北朝鮮側GPの勤務交代後の火器装備点検時間帯と重なること、▽状況発生直後、北朝鮮側の営農地域では営農活動が通常通り行われていること、▽地形上、北朝鮮側は韓国側より標高が低いうえ、北朝鮮側のGPは彼らの保有火器の有効射程より遠い1.5キロ以上の距離があるため、地形上挑発に不利な環境だったことなどを挙げた。軍当局者は「北朝鮮が挑発するなら自分たちが有利な環境を選んで行うはずで、あえて不利な環境から挑発する理由はない」とし、偶発的銃撃の可能性が大きいと見ている。

 軍当局者は、韓国の撒いたビラに対する北朝鮮の銃撃が韓国軍のGPに落下した可能性について「当時、周辺に対北朝鮮ビラの散布はなかった」と否定した。北朝鮮軍は2014年10月と2015年8月に、韓国の対北朝鮮ビラが北側に渡ると銃弾を発射し、これに対して韓国軍が対応射撃をした前例がある。

 合同参謀本部は、今回の銃撃事件直後、軍の通信線を通じて北朝鮮側に再発防止と状況説明を求めるメッセージを送ったが、北朝鮮は同日午後12時現在まで何の返事もしてきていないと、軍当局者は明らかにした。

 軍当局者は今回の銃撃について「北朝鮮の意図とは関係なく、互いに敵対行為を禁止した9・19軍事合意に対する違反」と述べた。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/943414.html韓国語原文入力:2020-05-03 11:33
訳D.K

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