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[社説]文大統領「新型コロナ共同対応」、金委員長は積極的に呼応を

登録:2020-04-28 06:25 修正:2020-04-28 07:44
文在寅大統領が27日午後、大統領府で首席・補佐官会議を主宰している/聯合ニュース

 4・27南北首脳会談と板門店宣言2周年を迎え、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「南と北は一つの生命共同体」として北朝鮮に再び手を差し出した。文大統領は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機は南北協力の新しいチャンスになりうる」とし、「COVID-19に共同対応する協力から始めて、家畜伝染病や接境地域の災害・災難、気候環境変動に共同対応するなど、生命の朝鮮半島のための南北交流と協力が行われるよう願う」とした。南北がCOVID-19危機を災い転じて福となす契機にし、平和と繁栄の朝鮮半島という目標に向けて一緒に進もうとの希望のメッセージを発したのだ。

 特に文大統領が「私と金正恩(キム・ジョンウン)委員長の間の信頼と平和に対する確固な意志を土台に、平和経済の未来を切り開く」と言及したのは、最近拡散している金委員長の「健康異常説」を遮断し、金委員長に直接対話の再開を提案したものと見られる。文大統領は「COVID-19が連帯と協力の精神を呼び覚ましている」とし、「南北が共にCOVID-19克服と板門店宣言履行の速度を上げ、ポストコロナ時代を切り開いて共存発展する平和繁栄の朝鮮半島を拓くことを期待する」と語った。4・15総選挙で確認された国民的支持を基盤に、COVID-19という「非伝統的安保」問題を共に乗り越え、さらに朝鮮半島で「積極的平和構築」を実現しようという意志が込められている。

 文大統領が南北関係をこれ以上朝米関係の従属変数として放置せず、南北が「実施可能な小さなこと」から突破口を模索しようと繰り返し強調したことも注目される。北朝鮮は国際社会の制裁に加えてCOVID-19事態まで重なり、大きな困難を負っていると伝えられている。米国のCOVID-19拡散と大統領選挙局面を考慮すると、当面は朝米交渉の進展も期待するのは難しい。文大統領は「現実的に存在する国際的な制約」を認めながらも、「朝鮮半島の運命の主人は私たち自身であるとの事実を忘れなければ、道は開かれるはず」と語った。過去2年間の対北朝鮮制裁と朝米交渉の膠着などの外部変数に足かせを掛けられ、南北関係が足踏み状態だった教訓を直視し、今は南北が「最も現実的で実践的な道」を探して歩んでいこうという提案だ。

 COVID-19防疫協力を踏み台にし、両首脳が2年前の板門店で約束した「朝鮮半島の春」を蘇らせ、平和経済から朝鮮半島の繁栄を模索しようとの文大統領の提案に、金委員長は積極的に呼応してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/942238.html韓国語原文入力:2020-04-28 02:40
訳M.S

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