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サムスン電子副会長の破棄差戻し審の裁判長忌避申立が棄却…最高裁に持ち込むか

登録:2020-04-20 06:27 修正:2020-04-21 09:55
ソウル高等裁判所、特検チームの申請を棄却 
「チョン・ジュニョン部長判事が不公正な裁判行う恐れはない」 
特検チーム、不服として再抗告を積極的に検討
サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が昨年10月、ソウル瑞草区のソウル高等裁判所で開かれた差戻し裁判の初公判後、法廷を後にしている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 パク・ヨンス特別検察官(特検)チームが最近、「サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の破棄差戻し裁判の裁判長忌避申立」を裁判所が棄却したことを受け、最高裁に再抗告するかどうかに関心が集まっている。

 今月17日、ソウル高裁刑事3部(ペ・ジュンヒョン裁判長)は、ヤン・ジェシク特別検察官補がイ副会長の破棄差戻し裁判を担当するソウル高裁刑事1部裁判長のチョン・ジュニョン部長判事に対して出した忌避申立を棄却した。特検は、チョン部長判事がイ副会長に有利な方向で訴訟を指揮しているとし、不公正な裁判が懸念されると主張したが、裁判所は「(チョン部長判事が)量刑の審理と関連し、不公正な裁判を行う懸念のある客観的な事情があるとは思えない」と述べた。今回忌避申立を審理したソウル高裁刑事3部は、刑事1部の代理裁判部で、司法壟断事件の被告人であるイム・ジョンホン元最高裁事務総局次長が担当裁判長(ソウル中央地裁刑事36部のユン・ジョンソプ部長判事)に対して出した忌避申立の抗告も棄却した。

 裁判所が忌避申立を棄却したことを受け、特検チームは決定文を分析して再抗告する方針を積極的に検討している。ある特検関係者は19日、ハンギョレとの電話インタビューで「検察側が裁判官忌避申立をするのは非常に珍しい」とし、「特検も高裁部長判事の裁判長を変えてほしいという忌避申立を出すまでかなり悩んでいた」と伝えた。また「(チョン部長判事は)裁判でサムスンを支持したことが明らかになったため(裁判官の忌避を申し立てた)」として、今回の棄却結果を受け入れ難いと述べた。これに先立ち、特検は忌避申立をする際、チョン部長判事が個人ではなく企業に適用される米連邦量刑基準を適用し、サムスンに遵法監視制度の導入を提案すると共に、専門審理委員制度を通じてその実効性をモニタリングする計画を示したのは、イ副会長を“減刑”するための手段だと主張した。

 特検が再抗告の方針を固めた場合、チョン部長判事に対する忌避申立事件は最高裁判所が最終判断を下すことになる。最高裁判所全員合議体はすでに昨年8月、国政壟断事件上告審でイ副会長が朴槿恵(パク・クネ)前大統領とチェ・ソウォン(改名前のチェ・スンシル)氏に賄賂を渡し、サムスングループ継承作業のために支援を受けるという不正な請託が存在したと判断した。これに基づき、最高裁はイ副会長に対し懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した控訴審の判断は不当だとして、再審理するよう事件をソウル高裁に差し戻した。特検は、最高裁が追加有罪を理由に事件を破棄したにもかかわらず、チョン部長判事がこのような趣旨に従わず、再び執行猶予を言い渡すための布石として「遵法監視制」の導入を提案したものとみている。

チャン・イェジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/941107.html韓国語原文入力:2020-04-2002:38
訳H.J

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