hankyoreh

ユン・テホ中央事故収拾本部防疫総括班長(左)が今月20日午前、政府世宗庁舎で新型コロナ対応中央災難安全対策本部会議の結果など、定例ブリーフィングを行っている//ハンギョレ新聞社

　今月22日から、欧州から入国する人全員が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診断検査を受けることになる。韓国国民と長期滞在する外国人は陰性判定を受けても2週間にわたり自宅や施設で隔離生活をしなければならない。韓国防疫当局は、療養病院や療養院にも強力な感染予防指針を施行し、これに違反して集団感染が発生した場合は、患者治療費の求償権を行使することにした。

　中央災難安全対策本部(中対本)は20日の定例ブリーフィングで、「22日から欧州からの入国者全員の健康状態質問書と発熱確認結果をもとに、有状者と無症者を区分し、別途指定された施設でCOVID-19診断検査を実施することにした」と発表した。健康状態の質問書を書いてもらい、発熱を確認する特別入国手続きを出発国に関係なく韓国への入国者全員に拡大した翌日、「欧州からの入国者全数検査」というより厳しい対策を打ち出したのだ。

　これは、欧州全域で感染が広がっているためだ。同日午前0時現在、国外からの流入で発生した感染事例は計86人だが、このうち欧州から来た人が50人で、60%に迫る。チョン・ウンギョン中央防疫対策本部(防対本)本部長は同日、「欧州からの入国者のうち検疫の過程で有症者とされる人を検査したところ、陽性率が5%程度だった」とし、「陽性率が非常に高い」と述べた。

　特別入国手続きの過程で、COVID-19有症者と確認された欧州からの入国者は検疫所隔離施設で、無症者は別途指定された臨時生活施設で、それぞれ診断検査を受ける。陽性と判明した場合は、重症度によって病院や生活治療センターに移送されて治療を受け、陰性なら2週間にわたり自宅や施設で隔離される。政府は仁川空港から近い施設2～3カ所を設け800室を確保し、隔離された外国人には世帯基準の韓国国民とは異なり、一人基準の生活費を支援することにした。出張などで入国した短期滞在外国人は滞在期間中、自己診断アプリや防疫当局の電話確認などを通じてモニタリングを行うことにした。チョン・ウンギョン本部長は「最近欧州から入国する1000人前後のうち、外国人は20%程度(約200人)で、このうち70%ほどは国内に居住地がある長期滞在者」だと述べた。

　これと共に、中対本は重症患者の発生可能性が高い療養病院と療養施設の感染管理を強化するため、それぞれ行政命令と行政指導を実施する。同日も大邱（テグ）テシル療養病院では一日で47人の感染が確認され、同病院から出たCOVID-19感染者は合わせて57人に達するなど、療養病院や療養施設における集団感染の危険性は非常に高い。これにより療養病院・療養施設は、防疫管理者の指定▽外部の人の立ち入り制限▽スタッフの症状確認と記録▽有症者を即時業務から排除▽スタッフのマスク着用などの措置を取らなければならない。これに違反して集団感染が発生した場合は、該当機関には損失補償と財政支援を制限し、追加防疫措置による損害賠償請求と患者治療費の求償権行使も検討する予定だ。

　同日0時基準で、韓国国内COVID-19新規感染者数は87人で、増加の勢いが再び2ケタに減った。累積感染者数は8652人だ。死者は同日夜8時現在、102人に増えた。同日まで重症以上の患者は93人だが、20代でも基礎疾患を有する重篤患者と重症患者がそれぞれ1人であることが分かった。大邱市感染病管理支援団のキム・シヌ団長は「現在、慶北大学病院に入院している20代の重篤患者は『サイトカインストーム』(ウイルスに対抗しようと免疫力が過度に高まり、正常な細胞まで攻撃する現象)と関係があると見ている」と述べた。同患者は酸素呼吸器と人工心肺装置(ECMO)治療を受けている。

　これに先立ち、嶺南大学病院で死亡した17歳の高校生は、インフルエンザなど呼吸器ウイルス8種の検査も行ったが、すべて陰性判定を受けたことが確認された。チョン本部長は前日、防対本が嶺南大病院実験室の汚染可能性に触れたことについて、「検査全体がすべて問題があると述べたわけではない」とし、「陽性対照群物質が汚染され、検査結果に影響を与えることはよくあること」だと説明した。また、事態が長期化することに対応して「医療体系を迅速に整備し、COVID-19への感染が疑われる患者と一般の応急患者、重症患者が(全員)きちんと診療を受けられるようにする」と述べた。