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韓国政府、空港で発見できなかった感染者続出で入国者全員の自主隔離義務化を検討

登録:2020-03-20 06:45 修正:2020-03-21 17:02
入国の検疫当時には無症状だったが 
地域社会で発病するケース多く、特段の措置を検討 
ソウルで一日で感染確認された12人のうち6人が該当 
6日間の検疫過程で17人の感染が確認
パリから出発した飛行機の搭乗客たちが今月18日午後、仁川国際空港を通じて入国している=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 韓国防疫当局が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流入を防ぐため、外国から入国するすべての人に自主隔離を義務付ける案を検討している。防疫当局は、政府の追加対策が出る前まで、入国者全員が自ら厳しく自主隔離を実践してほしいと要請した。また、19日午前0時から特別入国手続きの適用対象を入国者全員に拡大した。

 中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長は同日午前、中央災難安全対策本部(中対本)の定例ブリーフィングで「(国外から入国した人の)自主隔離の義務化を含む様々な方策を議論している」とし、「検疫を無症状で通過した、検疫段階で見つけられなかった人をいかに効果的に管理するか多角的に検討している」と述べた。「義務化」が確定したわけではないが、中央防疫対策本部は同日午後の定例会見で、国外から入国するすべての人々に「14日間外出を控えてほしい」と自発的な自宅隔離を要請した。

 実際、入国者が空港の検疫過程ではCOVID-19への感染が疑われる症状を示さなかったものの、地域社会に入ってからは症状が現れる事例が相次ぎ、これによる感染拡大への懸念が高まっている。今月3日~15日にハンガリーのブダペストで開催された国際フェンシング連盟(FIE)グランプリに出場して帰国したフェンシング選手の感染が相次いでいる。忠清南道は同日、女子フェンシング韓国代表の30代の選手(36)がCOVID-19検査で陽性反応を示したと発表した。女子フェンシング韓国代表選手の感染が確認されたのは蔚山(ウルサン)、京畿道南楊州(ナムヤンジュ)市に続いて3回目で、彼女らは全員ハンガリー大会に出場した。大韓フェンシング協会は、同大会に出場した韓国代表選手団と指導者ら約30人を隔離し、COVID-19検査を受けるよう措置した。

 ソウルでは同日、新たに感染が確認された12人のうち半数の6人が国外からの入国者であることが判明した。銅雀区(トンジャック)では今月6日から15日までスペイン旅行に出かけた30代の夫婦が、帰国翌日に症状が現れており、麻浦区(マポグ)と広津区(クァンジング)、江南区(カンナムグ)などでも、欧州からの留学生や旅行者が入国後、陽性判定を受けた。釜山(プサン)では同日、追加感染者が2人出たが、欧州に行ってきた20代とスイス人だった。政府はこのような状況を考慮し、これまでよりもさらに強力な対策を考えているようだ。

 これと共に防疫当局は特別入国手続きを“一般化”し、同日0時からすべての入国者を対象に施行した。これまで政府は、特別入国手続きの適用対象国をCOVID-19発源地の中国本土と隣接地域の香港やマカオなどをはじめ、国別の危険度によって順次拡大してきた。13~18日に国外から入国した内・外国人の中で検疫過程で感染が確認されたのは17人。

 国外からの流入による感染が増え、空港検疫を補完すべきだという声もあがっている。今月17日、仁川空港検疫所は41日間にわたり欧州を旅行して入国した30代の男性(30・大田中区)がCOVID-19に類似した症状を示したと発表したが、検体検査を行っただけで、隔離はしなかった。大田市(テジョンシ)の関係者は「問題を提起したところ、検疫所は『隔離室が満室だった』と答えた。空港検疫所が本来の機能を果たさなければ地域に感染が広がる危険性が高くなる。空港検疫を強化すべきだ」と指摘した。中対本の発表によると、特別入国手続きを初めて適用した先月4日から同日0時まで、仁川空港検疫所の隔離施設を利用した人は計844人だという。

ノ・ジウォン、ソン・インゴル、キム・グァンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/933385.html韓国語原文入力:2020-03-2002:01
訳H.J

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