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「差別を受ける朝鮮学校の子どもたちに送ろう」韓国市民が寄せたマスク1500枚

登録:2020-03-20 09:29 修正:2020-03-20 11:29
正義記憶連帯、モンダンヨンピルなど 
マスク約1500枚、後援金2400万ウォンを集め 
個人用のマスク3~4個を寄付し、手書きの手紙で気持ちを伝え
日本のさいたま市が「新型コロナ予防用マスク」を朝鮮学校幼稚園を除外して配布したことを受け、韓国市民たちによる朝鮮学校へのマスク寄付が相次いでいる=正義記憶連帯提供//ハンギョレ新聞社

 「一人暮らしの高齢者の方々に配ろうと私の母が直接作った手作りマスクです。ささやかながら小さい力になれば」

 「大人用のマスクだから子どもたちには合わないかもしれませんが…。ゴム紐を縮めるなどして子どもたちに使ってもらえたら。大変でしょうが乗り越えられるよう応援します」

 日本の埼玉県さいたま市が「新型コロナ予防用マスク」を配布する際に朝鮮学校を除外する方針を立てたことが知られると、韓国の市民団体に朝鮮学校に送るマスクと後援金の寄付が相次いだ。さいたま市は日本内外の激しい批判を受け、朝鮮学校を除外する方針を撤回した状態だ。

 正義記憶連帯(正義連)とモンダンヨンピルなど10の市民団体は19日、「日本のさいたま市の朝鮮学校にマスクとマスク購入用の後援金を送る運動を行った結果、(この日午前11時現在)マスク約1500枚と後援金約2400万ウォン(約207万円)が集まった」と発表した。正義連などは13日、「これまで以上に連帯の力が必要な時期であるにもかかわらず、さいたま市は朝鮮幼稚園に対するマスク配給を排除するなど、日本政府と地方自治体の朝鮮学校に対する差別政策はひどい状況」とし、「日本政府と自治体に差別撤廃を求める抗議書を送ることと、マスクを送る運動を進める」と明らかにしている。

 市民らはマスクと後援金、手の消毒剤などの寄付品を関連団体に渡し、手書きで気持ちを伝えもした。寄付に参加したある市民5人は手紙に「ニュースを通じて日本で朝鮮学校に対するマスク差別を聞いてとても腹が立ちました。少ないけれど大きな力になってほしい」と書いた。日本軍「慰安婦」被害者のキル・ウォンオクさんも18日、「子どもたち、頑張って。私も少し力を添えます」と20万ウォン(約1万8千円)を寄付した。

 さいたま市は、9日から管内の保育園や幼稚園、放課後児童クラブなどの職員向けに新型コロナウイルス感染症を予防するためのマスク配布を始めたが、朝鮮学校の幼稚園には配布せず、差別論争が起きた。同地域の朝鮮学校幼稚園では、41人の子どもたちが教育を受けている。さいたま市関係者が「同校幼稚園がマスクを他に転売する可能性がある」という趣旨の発言をし、ひんしゅくを買った。その後、朝鮮学校幼稚園関係者らが抗議すると、市は謝罪と共に朝鮮学校幼稚園を配布対象に追加すると明らかにした。正義連は13日、国連人権最高代表と世界保健機関(WHO)事務総長に対し、「日本政府の差別政策は国際人権原則違反であり、マスク支給政策で人種を理由とした排除と差別が行われる日本の状況に注目し、問題が解決されるるよう措置を取ってほしい」という趣旨の抗議書簡を送った。

 正義連のハン・ギョンヒ事務総長はこの日、ハンギョレとの電話インタビューで、さいたま市の差別について「反人道的な人種差別で、地方政府として成熟していない行動」だとし、「今回のマスク後援は団体から送ったが、個人が自分用に持っていた3~4個を送ってくるケースの方がもっと多かった。劣悪な状況にある朝鮮学校の子どもたちに大きな力になるだろう」と話した。

カン・ジェグ、キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/933305.html韓国語原文入力:2020-03-2002:11
訳C.M

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