韓国国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急速に広がっていることを受け、韓米の軍首脳部が来月初めに予定されていた合同演習を縮小する案を検討している。昨年のように規模を調整して実施する計画だった合同演習が再び調整されるわけだ。演習が事実上取り消しになるか、延期になる可能性もあるという見通しも示されている。
マーク・エスパー米国防長官は24日(現地時間)、ワシントン近隣のアーリントンにあるペンタゴンでチョン・ギョンドゥ国防部長官と会談した後、「ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官とパク・ハンギ韓国合同参謀議長が新型コロナウイルスに関する懸念によって、合同指揮所訓練を“縮小”(scaling back)することを検討している」と述べた。チョン長官も新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、将兵らの移動を統制している状況に触れ、「(演習に及ぼす)影響がある」と言及した。
韓米は当初、来月9日から2週間、コンピューター・シミュレーションで実施される指揮所演習(CPX)を「昨年レベルに準ずる調整された方式」で実施する予定だった。韓米の兵力数百人がバンカーに集まるため、追加で調整の必要性を感じたものとみられる。本格的な指揮所演習の1週間ほど前に危機管理演習が実施されることを考えると、決定を急ぐ必要がある。国防部関係者は「どのような形で調整するかはまだ決まっていないが、決定までそれほど時間はかからないだろう」と述べた。
米国はひとまず、演習の縮小に重点を置いていると見られる。エスパー長官が明示的に「縮小する案」と言及したのも、取り消しや延期を最優先に考慮していないというシグナルと言える。演習を縮小するなら、指揮所演習に参加する兵力を最大限分散させ、期間も短縮する方向になるものと予想される。指揮所演習には大規模な装備と兵力が起動するわけではないものの、一部の地上装備と航空機が参加するが、今回は純粋にコンピューター・シミュレーションだけで行うという見通しも示されている。
韓国は演習を取り消すか延期する案も排除していないという。演習の再調整を先に提案したのも韓国側だという。新型コロナウイルスの感染が拡大している中、一カ所に多くの兵力が集まることに負担を感じているものとみられる。これを避けるために、一部では今回の指揮所演習を韓国軍の単独演習に置き換え、バンカーではなく、合同参謀本部で進める案も浮上している。事実上、合同演習を取り消すことになる。
韓米合同演習が再び調整される場合、北朝鮮がどのような反応を示すかが注目される。新型コロナウイルスの感染拡大という外部的要因によるものではあるが、北朝鮮が敏感に反応してきた軍事演習が縮小されたり、事実上の取り消しされる状況繰り返されているからだ。北朝鮮は昨年11日の宣伝メディアを通じて「南朝鮮軍部は口では『南北関係を優先する』というが、実際には同族を害するための侵略戦争準備に躍起になっている」とし、韓米合同軍事演習を非難した。