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フィリピンから戻ってきた廃棄物、平澤港で処理…市民は不安

登録:2020-02-17 01:20 修正:2020-02-17 13:53
今年5177トン、6~7回にわたって搬入、年末まで処理 
市民「なぜ物流会社に廃棄物処理を…」不信 
平澤市「環境部の解釈を得ている…防じん幕施設を補完」
13日、京畿道の平澤港のとある物流倉庫前にて。フィリピンから返還された廃棄物を焼却場に送るために積み込み作業をしている//ハンギョレ新聞社

 「うっ」。床に散らかった廃棄物の横を通り過ぎようとしていたある住民が、悪臭に我慢できなかったのか、急いで避ける。小さく砕かれ絡み合った廃棄物は、以前どんなごみだったのか、元の形が分からない。前日に降った雨でじっとり濡れた地面に散らばった廃棄物の残滓を、作業者がほうきで忙しく掃く。

 13日午後、京畿道平澤市(ピョンテクシ)の平澤港のとある物流倉庫前。コンテナでいっぱいの敷地の前では、フォークリフトでコンテナの中の廃棄物を焼却場に運ぶアームロールコンテナに積み替えていた。この廃棄物は、2日にフィリピンが受け入れを拒否し、ミンダナオ島から平澤港に戻ってきた今年1次廃棄物約800トン(コンテナ50台分)のうち、コンテナ30台分の一部だ。残りのコンテナ20台分は済州島から出たゴミだが、処理のために蔚山市(ウルサンシ)に送られた。

 「平澤市民環境連帯」の約10人の会員がこの日、現場を視察する間、平澤市の職員は「埠頭で1次消毒して作業していたが、臭いがひどいので煙幕消毒もする」と説明した。

 10億ウォン(約9290万円)の国費の支援を受けた平澤市は、廃棄物排出場所に平澤港のとある物流業者を指定した。作業をはじめたその業者は物流倉庫前の敷地に高さ2.5メートルの防じん幕を臨時に設置したが、これを見たある市民は「あれは目隠しだろう、防じん幕じゃない」と舌打ちした。

平澤港のとある物流倉庫から車で5分の、ある焼却場。容量が不足し、一部は華城市の焼却場に回される予定だ//ハンギョレ新聞社

 彼らは「昨年4666トンのフィリピンからの廃棄物を搬入したが、また平澤か」とし、「どうして物流業者が2次廃棄物の処理をするのか」と不信を示した。COVID-19感染者に続き新生児の集団感染で頭を抱える平澤市は、約5千トンの廃棄物処理まで平澤港で行われ、落ち着かない様子がうかがえた。

 西平澤環境委員会のチョン・ミョンス委員長は「平澤港のコンテナを運ぶのは物流会社の仕事だが、開けた瞬間から廃棄物なのだから当然浸出水対策と防じん施設をきちんと備えた中間処理業者がやらないと、市民の安全は保てない」と語気を強める。

 平澤市環境農政局のユ・ビョンウ局長は「廃棄物を運ぶ車両が廃棄物処理業者にはないと言っていた。平澤に住所を置く廃棄物業者が輸出する時も、物流会社の車両でやった。環境部からも法的に問題はないという公権的解釈を得ている」と述べた。

 今年、フィリピンから平澤港に送り返されてくる廃棄物は5177トンで、平澤市は年末まで6~7回にわたってこれを処理する予定だ。しかし、気温が上昇し風が吹けば廃棄物の粉じんが飛散し悪臭も漂う。梅雨による廃棄物からの浸出水も憂慮される。

 平澤環境行動のキム・フン共同代表は「昨年の最初の廃棄物は船から降ろされないまま戻ってきたが、第2次の廃棄物はミンダナオ島に散らばっていたものを回収して持ち込んでいるので、そこにどのような病害虫やフィリピンのごみが混じっているか分からない」と懸念を示した。市関係者は「防じん幕などの施設を今後補完する」と述べたが、住民の不安はなかなか収まっていない。

文・写真/ホン・ヨンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/928400.html韓国語原文入力:2020-02-16 14:52
訳D.K

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