日本の経済報復措置に抗議し、広域自治体の中では初めて日本との行政交流を全面中止した釜山市が、6カ月ぶりに行政交流を再開した。冷え込んだ韓日関係を回復させる呼び水になるという期待感と、行政交流を再開するのは時期尚早だと懸念する視線が交錯する。
信号弾は今月21~22日、長崎県で開かれた「第28回韓日海峡沿岸県市道交流知事会議」だった。知事会議は1992年に初めて開かれ、韓日海峡と隣り合った韓国と日本のそれぞれ4つの都市が毎年交互に開催する。韓国からは釜山市と慶尚南道、全羅南道、済州道が参加し、日本からは福岡県と佐賀県、長崎県、山口県が参加している。今年は雇用創出と若者雇用問題について話し合った。オ・ゴドン釜山市長をはじめ、ドゥルキング事件と関連して二審の判決を控えているキム・ギョンス慶尚南道知事、ウォン・ヒリョン済州道知事が出席した。
オ市長が日本を訪問したのは、昨年7月の就任後初めてだ。また、今年7月、日本の経済報復措置の撤回を求めて17の広域自治体のうち初めて日本の自治体との行政交流を全面中止すると発表してから6カ月目のことだ。
今回の訪問と関連し、オ・ゴドン釜山市長は23日、フェイスブックへの書き込みで「行政交流の中止宣言は“中止のための中止”ではなく、“交流に向けた中止”だった。不当な経済報復措置を撤回し、韓日友好関係を回復しようという意志だった。まだ不十分だが、変化の兆しが見える。それを踏まえて訪問を決めた」と述べた。日本が最近、経済報復措置を一部撤回したことを考慮し、日本を訪問したということだ。
注目すべき点は、今回の知事会の合意文だ。韓日8つの県市道は、各自治体と雇用関連機関、企業、大学生が参加する「若者雇用のための実務会議」を行うことにした。また、福岡モーターショーや対馬厳原港まつりなど日本で開かれる来年度の7件の行事と、釜山世界卓球選手権大会など韓国で開かれる来年度の4件の行事を積極的に支持して協力することにした。事実上、韓日自治体の全面交流を宣言したのだ。
釜山市は慎重な態度だ。日帝強制占領期(日本の植民地時代)の強制徴用者に賠償を命じた韓国最高裁(大法院)の判決に対抗した日本の経済報復が完全に撤回されず、日本製品不買運動や日本への観光を控える雰囲気が続いている状況で、性急に全面的な行政交流を再開したという批判を懸念しているからだ。釜山市関係者は「韓日政府の状況に応じて柔軟に対応するのが原則」だとし、拡大解釈を警戒した。
これに先立ち、釜山市は今年7月、「堅固な立場、原則のある交流」という方向性で掲げた対日交流事業の2つの原則を発表した。日本との行政交流を韓日関係が改善するまで暫定的に中止し、民間の交流支援事業は自主的な判断に任せるものの、必須人員を除いて参加しないことにした。