本文に移動

「朝鮮・東亜日報の『GSOMIA』親日論調の根には反民族100年の歴史」

登録:2019-12-04 04:11 修正:2019-12-04 08:24
キム・ジョンチョル東亜闘争委員会委員長インタビュー

朝鮮日報は生まれながらの親日新聞 
親日派を立て総督府の許可引き出す 
パン・ウンモ、日本軍に高価な高射砲寄贈 

「東亜日報はキム・ソンスが新聞私物化」 
天皇に巨額の国防献金献上 
売国・売族行為にふけった恥部を隠蔽 

東亜・朝鮮闘委など言論市民団体が連帯 
汚辱の歴史を広く伝える

東亜闘委のキム・ジョンチョル委員長=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 巨大メディア『朝鮮日報』と『東亜日報』は「民族紙」なのか「反民族・非民主」新聞なのか。

 来年3月5日(朝鮮)と4月1日(東亜)に「創刊100周年」を控える両新聞社は、民族紙を宣言し大々的な記念行事の準備に奔走している。諸市民団体は「朝鮮東亜、嘘と裏切りの100年清算市民行動(市民行動)」という連帯機構を立ち上げ、両紙の「反民族・反民主的な汚辱の歴史」を審判すると意気込んでいる。市民行動には、1975年に維新独裁に抗議して追放された両紙の被解雇ジャーナリストで組織された東亜自由言論守護闘争委員会と朝鮮言論の自由守護闘争委員会をはじめ、全国言論労組など57の言論市民団体が参加する。ハンギョレは先月21日にキム・ジョンチョル東亜闘委委員長にソウル孔徳洞(コンドクドン)の当紙社屋で活動計画などを聞いた。

 1967年に東亜日報記者として入社し、自由言論実践運動で8年後に解雇されたキム・ジョンチョル委員長は、民主統一民衆運動連合(民統連)事務処長やハンギョレ論説委員、聯合ニュース社長などを務めた。彼は創刊から2014年までの東亜・朝鮮日報の紙面を一つ一つ暴いた各5巻からなる『東亜日報大解剖』『朝鮮日報大解剖』の共同著者として、両新聞社の社主パン・ウンモとキム・ソンスの親日行為などに精通している。

 彼は「朝鮮、東亜は100周年を迎え、自画自賛したいのだろうが、この1世紀の間、民族共同体に貢献した功績よりも破壊した罪の方がはるかに大きい。彼らが国民を裏切り、『天皇陛下万歳』を叫び、大韓民国の独裁政権を称えたことを知らない人が多い」とし、「何よりも彼らに欺かれてきた人々と若い世代に恥ずかしい歴史の実体的な真実を広く伝え、警戒心を目覚めさせることが重要だ」と述べた。

東亜闘委のキム・ジョンチョル委員長=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 キム委員長は朝鮮日報について「生まれながらにして親日新聞だった」と説明する。彼は「朝鮮日報は親日団体『大正実業親睦会』の中心だったイェ・ジョンソクを立てて朝鮮総督府の発行許可を引き出した。1933年にこの新聞を引き継いだ実質的な創業主バン・ウンモは、太平洋戦争で日本軍に高価な高射砲を寄贈した代表的な親日派」と強調した。そして「東亜日報は民族紙を表榜し、国民株形式で創刊されたが、時間が経つにつれ、大株主である全羅道出身の資本家キム・ソンスが私物化した。日帝強占期(植民地期)に“天皇陛下”に巨額の国防献金などを行い、附日売国・売族行為にふけったが、自分たちの歴史からこのような恥部はすべて取り除いている」と批判した。

 キム委員長は10月24日に、自由言論実践宣言45周年を迎え、東亜日報社屋から朝鮮日報社があるコリアナホテルまで両新聞社の反省・謝罪とマスコミ改革を求める三歩一拝行進(3歩歩いてから平身低頭して礼拝。これを繰り返す仏教の修行。デモ行進法の一種)に参加した。彼は強制解雇されて44年が経っても一言の謝罪もされず、この事件がそのまま歴史に埋もれている現実にもどかしさを吐露した。「東亜日報から30代で追い出され、70代半ばになった。韓国社会に果たして正義はあるのか、文在寅(ムン・ジェイン)政権になって積弊をきちんと清算する意志はあるのか、惨憺たる思いで一歩一歩最善を尽くした」。

 1975年に強制解雇されたジャーナリストは、東亜が113人、朝鮮が32人だ。すでに鬼籍に入った方もいるが、李明博(イ・ミョンバク)政権時代に公正放送を叫んで追放されたYTNと文化放送(MBC)のジャーナリストが現場復帰したのとは違い、彼らの長い闘いはまだ終わっていない。

10月24日、自由言論実践宣言45周年を迎え、東亜日報社屋から朝鮮日報社があるコリアナホテルまで、両新聞社の反省・謝罪とマスコミ改革を求める三歩一拝行進が行われた=キム・ボンギュ先任記者

 軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をめぐる韓日対立で、朝鮮日報が日本政府を擁護しているという批判が広がったことについては「日本軍は1931年に満州を侵略し、太平洋戦争を引き起こした。これに対し朝鮮日報は戦争を起こしてアジアを征服しなければならないという主張を展開した」とし、「GSOMIAで露わになった親日的論調の根はまさにここにある。本人たちは民族紙だと言うが、昔から反民族紙だ」と批判した。東亜日報に対しても、「創業主のキム・ソンスの反民族親日行為が認められ、昨年叙勲が取り消された」事実を指摘した。

 民主言論市民連合(民言連)は最近、「朝鮮・東亜100年、偽りの報道100年」と題するアーカイブ作業を通じて、両新聞が日帝には親日行為で、独裁政権には貢献で対応してきた資料を公開し始めた。資料の基礎になった『大解剖』は、朝鮮日報についてはバン・ウンモが経営権を引き継いだ直後から「皇太子殿下のご誕生」(1933年12月24日付)と題する社説を出すなど、日本の皇室を称賛する記事が露骨になったという点に注目する。東亜は、1932年に韓国愛国団員である李奉昌(イ・ボンチャン)が天皇に爆弾を投げた義挙を「大不敬事件」と報道した。「大不敬事件突発、御鹵簿に爆弾投擲」(1932年1月10日付2面トップ)という報道のほかに、裁判の時も「大逆罪人」という単語を動員し、日帝の視点から事件を伝えた。キム委員長は「皇太子誕生を奉祝する社説などは朝鮮日報が植民地言論を自認したものだとすると、東亜の『大不敬』という表現は日帝が天皇に対して使う最上級の尊称から出たもので、自ら親日言論であることを認めたもの」と批判した。

 朝鮮と東亜のこのような親日・反民族行為などを市民にどのように分かりやすくに伝えるかが、最近の彼の悩みだ。キム委員長は「これらの反民族・反統一の歴史を紹介する白書を作って朗読するイベントや、動画時代だけにジャーナリスト志望者向けの短い動画制作も検討に値する」と説明した。市民行動は5日、両紙の実体を伝えるための「朝鮮・東亜、権力に向かう欲望の現代史」というテーマの大衆講演を行う。また、今後両紙の「10大凶悪報道」を選定し、動画で広報コンテンツを製作する計画だ。

ムン・ヒョンスク先任記者、写真/パク・ジョンシク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/919447.html韓国語原文入力:2019-12-03 17:44
訳D.K

関連記事