大統領府が22日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了を条件付きで先送りすることに決定する代わりに、日本政府は韓国の輸出審査優待国(ホワイト国、現在の名称はグループA)の資格の復元と半導体・ディスプレイ関連3大品目(フォトレジスト、ポリイミド、フッ化水素)の輸出規制を再検討することにしたと発表した。日本政府も輸出規制に関する韓日対話再開の方針を明らかにした。ただ、日本政府は「輸出関連規制などに直ちに変化はない」と発表し、韓国政府も「規制の撤回がなければGSOMIAは終了する」という立場を繰り返し確認しており、両国間の交渉は難航が予想される。韓日両国が米国の強い要請を受け、交渉用の「時間稼ぎ」をしたという分析が出ている。
キム・ユグン大統領府国家安保室1次長は、GSOMIA終了6時間前となった同日午後6時、「韓国政府はいつでもGSOMIAの効力を終了し得るという前提のもとに、8月23日の終了通知の効力を停止させることにした」と明らかにした。通知から3カ月後に効力が発生するという規定により、23日午前0時に予定されていたGSOMIA終了時点を一旦延期するということだ。キム次長はさらに「政府は韓日間の輸出管理政策対話が正常に行われている間は、日本側の3大輸出規制品目に対する韓国政府の世界貿易機関(WTO)提訴の手続きを停止することにした」と述べた。キム次長は、日本政府の後続措置に関しては「局長級対話を実施し、両国の輸出管理に関して相互確認して、3大品目に関しては韓国に対して適正な輸出管理運用に向けて見直し措置を取ることにした」と明らかにした。
大統領府はこの日午後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席した中、国家安全保障会議(NSC)を開き、このような条件付きGSOMIA終了延期を最終確定した。大統領府の高官は「文大統領は異例にも会議に臨席し、議論の過程に直接参加し、NSC会議の合意を裁可した」と語った。
ただ、大統領府はこの日の発表と関連し、日本政府が近いうちに輸出規制措置を撤回しなければ、直ちにGSOMIAを終了することもありうると明らかにした。大統領府関係者は「(日本の輸出規制措置が始まった)7月1日以前の状態に復旧しなければ、GSOMIAの延長やWTOへの提訴の中断措置を撤回しうる」とし、「韓国をホワイト国(グループA)に再び含めなければならず、3品目に対する輸出規制を撤回しなければならない」と話した。輸出規制撤回の期限についても、「相当期間このような状態が続くことは許されない」と話した。
この日の大統領府と日本政府の発表の間のギャップも物議を醸しそうだ。大統領府はGSOMIA猶予とWTOへの提訴中断という実効的な措置を取ったのに対し、日本は「ハイレベル協議の再開」という曖昧な措置を打ち出すのにとどまったうえに、「今回の決定はGSOMIAとは関係がない」と主張したためだ。日本の安倍晋三首相は同日午後6時半に首相官邸を出る際、記者団に対し「北朝鮮に対する対応に向けて韓日、韓米日の連帯と協力がきわめて重要だ」とし、「今回、韓国もそのような戦略的な観点で判断したのだと思う」と明らかにした。