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GSOMIA終了迫る…韓日米安保協力はどうなる

登録:2019-11-22 03:25 修正:2019-11-22 07:57
(上)2016年11月23日、ソウル龍山区の国防部でハン・ミング国防部長官(右)と長嶺安政大使がGSOMIAに署名する様子。(下)8月23日午後にソウル鍾路区の外交部で、長嶺安政大使がGSOMIA終了決定を記した公文書を受け取った後、庁舎を出てくる様子=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了期限が目前に迫っている。韓国と日本の間に劇的な変化がない限り、23日0時が過ぎると、「両国が交わした最初の軍事協定」は歴史の中に消える。韓国の最高裁判所による強制徴用賠償判決に対し、日本が安保上の理由を挙げて輸出規制に乗り出すと、韓国はGSOMIA終了を決定した。こうして起きた今回の問題は、米国が最後まで韓国に対してGSOMIA維持を強く迫ったことで、韓米日の安保協力の枠組みを揺るがす台風へと発達した。

■ 締結から拙速批判

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は8月22日にGSOMIA終了の方針を決定した。日本が植民地支配の歴史的清算をめぐる問題を突如として安保領域に引き込んだことに対する対抗措置だった。文大統領は19日の『国民との対話、国民が問う』でも「GSOMIA終了問題は日本が原因を提供した」とし、日本が「安保上の理由」を挙げて取った輸出規制措置の不当性を強調している。文大統領は「日本は安保上、韓国を信頼できないとしながら、軍事情報を共有しようというのは矛盾した態度」と指摘した。

 「GSOMIA」は誕生前から批判要素が多かった。李明博(イ・ミョンバク)政権は2012年6月の国務会議に密かにGSOMIAを上程し、通過させた。このことが伝えられると野党や市民団体、世論が強く反発し、協定への署名は取り消された。朴槿恵(パク・クネ)政権はGSOMIA締結を再び進めたが、やはり拙速との批判にさらされた。朴槿恵政権は2016年11月初めに東京で課長級実務協議を2回行った後、22日の国務会議の議決を経て、たった1日で署名まで済ませた。

 米国は当時、韓日両国に様々なルートを通じてGSOMIA締結を要求した。2016年4月には韓米日3カ国首脳会談の席で年内にGSOMIAを締結することを要請し、韓国へのTHAAD(高高度防衛ミサイル)配置が決定した直後の同年8月にはビンセント・ブルックス在韓米軍司令官(当時)がミサイル防衛のための多国籍情報協力システムの重要性を強調してもいる。GSOMIAは、実は米国の作品だと言っても過言ではない。

■ 米国はなぜGSOMIA維持を望むのか

 韓国によるGSOMIA終了決定後、韓米間に軋轢が生じた。政府は米国とGSOMIA問題について随時協議し、米国も韓国の立場に理解を示したが、米国は終了決定以来今日まで、文在寅政権に向けて公に「強い失望と遺憾」を表明している。韓国の決定に対する米国のこれほどまでの執拗な異議申し立ては前例がない。

 米国はGSOMIAを通じて韓米日の安保協力を制度化し、これを中国を牽制する「インド太平洋戦略」の中心軸へと発展させようとしている。6月に米国防総省が発行したインド太平洋戦略報告書は、韓米日の安保協力が域内の平和と安保維持の要だと明示している。「GSOMIA終了で得をするのは中国と北朝鮮」というマーク・エスパー国防長官の発言は、このような米国の本音を表している。当初、北朝鮮の核とミサイルに対応するためのものと装われていたGSOMIAが、中国を牽制するための装置と規定されているのだ。戦略的な観点から見れば、GSOMIAは韓国を、中国を牽制する「韓米日陣営」に縛りつけておく象徴であり、今後「韓米日軍事同盟」とミサイル防衛体制(MD)への参加へと進展させる主要な入り口となりうるという点で、米国のアジア戦略において意味が大きい。

■ GSOMIA終了で韓米日協力どうなる?

 政府はGSOMIAが終了しても韓米日の安保協力は維持されると強調する。文大統領は「GSOMIAが終了することがあっても、日本とは安保上の協力をする」と述べた。15日にソウルで開かれた韓米安保協議会(SCM)でも韓米日の安保協力を持続的に拡大することで合意している。

 GSOMIAが終了すれば、2014年に締結された「韓米日情報共有取り決め(TISA)」が作動するものとみられる。2012年にGSOMIAの締結が白紙に戻された際に米国が代案として示したこの取り決めは、米国を介して韓日が情報を交換するもの。国防部関係者は「GSOMIAが締結されて以降、これまで32件の情報共有が行われたが、そのほとんどは日本の要請によるもの」と語った。GSOMIAは韓国にとってそれほど切迫したものではないということだ。軍関係者は、「GSOMIA終了による損得は、軍事的側面と外交的側面から総合的に考慮しなければならない」と述べた。

ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/917917.html韓国語原文入力:2019-11-21 14:48
訳D.K

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