金剛山(クムガンサン)観光中止から11年ぶりに民間レベルで初の金剛山個別観光が推進され、実現に関心が集まっている。
金剛山観光再開汎江原道民運動本部は11日午前、ソウルプレスセンターで記者会見を開き、早急な金剛山観光再開を求めた。運動本部は、江原道民主財団や江原道教育共同体フォーラム、南北江原道協力協会、全農江原道連盟、615南側委員会江原本部など10余りの民間・社会団体が先月21日に立ち上げた。
運動本部のチェ・ユン常任代表は「金剛山観光は江原道にとって地域の平和と安定はもちろん、住民が生活する生存権に関する問題だ。南北関係当局や国連など国際社会の前向きな検討が必要だ」と訴えた。
運動本部は、金剛山観光の再開に向けてまず個別観光を推進することにした。現代峨山主導の大規模な団体観光は国連制裁対象に該当する可能性があるためだ。しかし、個別観光は制裁対象ではない。カン・ギョンファ外交部長官も先月24日に行われた記者懇談会で「個別観光は制裁対象ではない」と明らかにしている。実際、毎年120万人以上の中国人などの外国人観光客が北朝鮮で個別観光を楽しんでいる。
運動本部は、どんな方法であれ金剛山に韓国人が数多く行けば「金剛山観光再開・活性化」効果が得られるとみている。このために先月31日からホームページ(peaceagain.net)を通じて金剛山個別観光客の募集に乗り出した。当初300人が目標だったが、早くも600人を超えるほど反応が熱い。
政府も民間レベルの金剛山個別観光に友好的なムードだ。統一部は今月初め、チェ・ユン常任代表など運動本部の代表団3人が申請した北朝鮮住民との接触申告書を承認した。運動本部は今月末までに北朝鮮側と会い、金剛山の個別観光訪朝団の規模や日程などを話し合う計画だ。北朝鮮が訪朝に同意すれば、身辺の安全を約束する公式の招待状が発送される。運動本部はこの招待状を受け取り次第、統一部に訪朝承認を申請し、最終承認が下りれば史上初の金剛山個別観光が実現する。
運動本部は、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が先月23日、金剛山内にある南側の施設の撤去を指示しながらも「南の同胞たちが来るというならいつでも歓迎する」と明らかにした点に注目している。
同日の記者会見に出席したチェ・ムンスン江原道知事は、「地球上に唯一残っている冷戦の痛みを治癒するため、国民的な関心が必要だ。必要であれば江原道知事を含む江原道代表団を組織し、金剛山を訪問する」と述べた。
運動本部は、金剛山観光の再開汎道民運動のムードを全国に広めるため、1000万人署名運動も展開している。署名資料は来る12月、ホワイトハウスや米議会、国連の対北朝鮮制裁委員会などに渡し、金剛山観光再開を望む国民の熱望を伝える計画だ。また、18日には高城(コソン)非武装地帯(DMZ)で全国民間・社会団体代表500人あまりが参加する汎国民参加平和会議も開く。この日の会議では、金剛山観光再開を求める決議文を採択し、DMZ博物館から統一展望台までの街頭キャンペーンも行うことにした。
これとともに、27日にソウル光化門(クァンファムン)広場では2~3万人が参加する金剛山観光再開決議大会も開かれる。全国大会とともに国会議員や平和専門家、社会団体などが参加する国会討論会と国会決議案の採択も推進している。
一方、金剛山観光の中止により、江原道高城地域の被害だけで廃業400社あまりなど3800億ウォン(約35億円)にのぼり、現代峨山など関連企業も1兆5680億ウォン(約1440億円)の被害を受けている。