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韓国党2トップの“オウンゴール”で支持率急落…「チョ・グク反射利益」終了か

登録:2019-11-02 02:34 修正:2019-11-02 07:40
「チョ・グク事態」効き目が切れ、指導部相次ぐオウンゴール 
党内からファン・ギョアンとナ・ギョンウォンの2トップに責任論
自由韓国党のファン・ギョアン代表が28日午前、国会で開かれた最高委員会議で発言している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 一時は一桁台にまで縮まっていた共に民主党と自由韓国党の支持率の差が「チョ・グク政局」以前に戻った。チョ・グク法務部長官の辞任で「チョ・グク特需」の効き目が切れたうえ、指導部の相次ぐオウンゴールで韓国党の支持率が急落したためだ。チョ・グク政局の反射利益を享受し、総選挙への期待を高めていた韓国党内では、「指導部リスク」による危機論が急速に広がっている。

 韓国ギャラップが10月29日から3日間にわたり全国の有権者1000人を対象に実施した定期世論調査(信頼水準95%、標本誤差±3.1%p)によると、民主党と韓国党の政党支持率はそれぞれ40%と23%だった。チョ・グク長官辞任後の10月第3週の調査で一桁(9%)にまで縮まっていた両党の支持率の差は、わずか2週間で17%へと広がった。この数値はチョ・グク前長官就任前の9月第1週の差と同じである。

 韓国党内では、「感情が表れないようにコントロールするだけでも支持率が上がる時期に指導部が空回りしている」というため息が漏れている。しばらく下火になっていた「指導部リスク」も再び聞こえだした。党内では「ファン・ギョアン‐ナ・ギョンウォンの2トップ体制で、果たして総選挙を闘えるのか」とまで言われている。

 ファン・ギョアン代表はしばしば、組職を掌握するリーダーシップも足りず政治感覚もないと批判されている。ある多選議員は「ファストトラック(に関する衝突事態で捜査対象になっている議員への)公認加算点発言、(チョ・グク聴聞会TFへの)表彰状授与式、大統領を戯画化した映像に続き、パク・チャンジュ獲得ハプニングまで、政治的悪材料が一気に噴き出している」とし、「批判そのものよりも、収拾策として出てきた決定が1日でひっくり返る方が問題」と述べた。また別の重鎮議員は、「ナ・ギョンウォン院内代表の公認加算点発言をかばうかのような発言で波紋が広がると、翌日に収拾を図りながらマスコミのせいにした。政治感覚がなさすぎる」と皮肉った。

 パク・チャンジュ元大将を党に迎え入れる問題では、最高委員たちが反旗を翻して撤回するかたちとなり、リーダーシップに傷がついた。党関係者は、「人材を迎え入れるには『感覚』が党内で共有されなければならない。そうやっていれば最高委員が別途集まり、公に反発する事態は起きなかっただろう」と述べた。一部からは、口数が少なく慎重なファン代表のキャラクターに慶尚道圏・親朴(朴槿恵)系・検察出身者による「側近政治」が加わり、若年層や中道の支持拡大が難航していると指摘されている。

 保守統合に熱意を見せないファン代表の態度にも疑問を示す首都圏・非朴系議員も多い。チャン・ジェウォン議員は「統合に対する切実さが見えない。もはや保守統合は必要ないと考えているようだ。チョ・グク事態による支持率上昇が、むしろ保守統合を妨げている」と自身のフェイスブックに書いている。

 ファン代表と「ツートップ」を成すナ・ギョンウォン院内代表も危機に直面している。少し前までは12月の任期満了後も総選挙までの続投を期待していたが、党の支持率が急落したことで雰囲気が悪化している。ファン代表との不仲説も再燃している。ファン代表が先月23日の党の日常点検会議で「(公認ルールへの言及は)党に仇なす行為」と述べたことがナ院内代表の「公認加算点」発言に向けたものではないかという観測が出たのが発端だった。ファン代表は31日に「ナ院内代表に向けた表現ではない」と否定したが、ファン代表の周辺ではすでにナ院内代表に対する不信が大きくなっている状況だ。カン・ソクホ、キム・ハギョン、アン・サンス、ユ・ギジュンなどの非朴系議員はもちろん、これまでナ院内代表を支援していた親朴系の重鎮級議員たちまでもが(院内代表選出の)出馬の可能性に言及し、12月の院内代表の任期満了と同時に新しい院内代表を選出すべきという方向に傾いている。

チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/915493.html韓国語原文入力:2019-11-01 18:17
訳D.K

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