「ああ、お母さまが亡くなられて(大統領は)どんなに胸を痛めているか」
30日午前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の母カン・ハノク女史の葬儀場が設けられた釜山水営区(スヨング)の南川聖堂の入り口で、60代の女性信徒たちが文大統領の母の逝去を惜しんだ。聖堂の入り口には、謹弔のバッジを襟に付けた大統領警護処の職員たちが、部外者の出入りを規制していた。60代の信徒らは警護処の職員の確認を経た後、皆で聖堂に向かった。
文大統領は葬儀を家族葬で行うこととし、政治家の弔問は遠慮しているが、はるばる訪ねて来た野党の代表は断れなかった。午前にはカトリックのソン・サムソク釜山教区長ら7大宗教団体の指導者が弔問に訪れ、大統領の心の師として知られるソン・ギイン神父と盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の夫人クォン・ヤンスク女史も弔問。民主平和党のチョン・ドンヨン代表、正しい未来党のソン・ハッキュ代表、正義党のシム・サンジョン代表なども弔問した。
自由韓国党のファン・ギョアン代表は午後6時半ごろに南川聖堂を訪ね、弔問。ファン代表は取材陣に対し「カン女史は我々もよく知っているとおり、朝鮮戦争の興南撤退作戦の際に韓国に渡ってこられた。苛酷な時期に練炭の配達をしたり果物の行商をしたりして苦労して子育てをされたと聞いている。そんなお心を思い出しながら大統領をお慰め申し上げた」と述べた。同党のナ・ギョンウォン院内代表はファン代表とは別に弔問に訪れた。
李洛淵(イ・ナギョン)首相は同日夕、ユ・ウンヘ社会副首相兼教育部長官とともに弔問をすませ、「(大統領に)いくつか報告を行った。アフリカ豚コレラと日本との関係についても少し意見を交わした」と述べた。韓国駐在の中国、ロシア、日本、米国大使も次々に弔問に訪れた。大統領府関係者は「お一人ずつ弔問に応え、大使ひとりにつき5分ほど話をした」と伝えた。
その他の政治家は聖堂の前で引き返さなければならなかった。共に民主党のキム・ブギョム議員は29日とこの日に1回ずつ葬儀場を訪れたが、弔問できなかった。最側近とされる慶尚南道のキム・ギョンス知事と民主研究院のヤン・ジョンチョル院長も近くまで来たものの、大統領府関係者の説得に引き返さざるを得なかった。
カン女史の葬儀ミサは、31日に南川聖堂で開かれる。故人は慶尚南道梁山(ヤンサン)のハヌル公園に埋葬される予定。