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[社説]政府与党は「チョ・グク以降」の状況の厳しさに気づき、“刷新”を模索すべき

登録:2019-10-29 06:54 修正:2019-10-29 09:48
文在寅大統領が今月8日、大統領府の国務会議で国旗に対する礼をする中、後ろにチョ・グク法務部長官(当時)の姿が見える=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 チョ・グク前法務部長官事態を経験し、総選挙不出馬を宣言したイ・チョルヒ議員とピョ・チャンウォン議員が28日、イ・ヘチャン共に民主党代表に、党の革新と刷新を建議した。同日の会合は、両議員が不出馬の弁として「チョ・グク事態」における無力感と自戒の念を語り、人的責任論と刷新論を提起した後に行われ、注目を浴びた。イ・ヘチャン代表は両議員の意見に原則的には共感を示したが、具体的な刷新案が話し合われたわけではないという。今後の推移を見守らなければならないが、両議員の所信が与党全般の刷新と革新の契機になることを期待する。

 「チョ・グク政局」以降、大統領府や政府、共に民主党などでは、数人の議員による問題提起があるだけで、反省して省察する姿は見当たらない。今月14日に謝罪を述べた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が唯一だ。また、李洛淵(イ・ナギョン)首相が28日、国会で野党議員の質疑に促されるように「申し訳なく思っている」と述べただけだ。今回の事態で噴出した“公正”と”正義”の要求を受け入れ、検察改革を強く進めるという話は多いが、約2カ月にわたる国政乱脈を招いた点に対して、政権与党として国民の前で頭を下げながら心機一転しようとする姿は見られない。イ・チョルヒ議員が「党が卑怯にも大統領の後ろに隠れていた」としてイ・ヘチャン代表の責任論を取り上げ、ピョ・チャンウォン議員が「厳しい姿勢で人的刷新を行うことで責任を負わなければならない」と主張しただけだ。また、キム・ヘヨン最高委員が「政権与党指導部の一員として大変申し訳ない」と述べ、チョン・ソンホ議員が「責任を痛感する者は一人もいない」と批判した程度だ。

 「チョ・グク以降」をどうするかという問題は、与党の共に民主党に限るものではない。文大統領も14日、謝罪後に国会での施政方針演説や大統領府記者団の懇談会など、いくつかの機会があったにもかかわらず、国民に率直に寄り添う姿勢を見せなかった。大統領府の参謀たちが国政補佐機能が十分に作動したのか点検し、反省したという話も聞いたことがない。共に民主党ではかなりの議員たちが不満を持っているというが、いざ責任を持って発言するのはごく少数だ。共に主党が半年後の総選挙を控え、今週慣例通り総選挙企画団を発足するというのも「認識の安易さ」を端的に示している。

 大統領府と政府、与党は、今のように何ごともなかったかのようにやり過ごしてはならない。公正と正義、検察改革に邁進することはもちろん重要だが、同時に今回の事態がどこから始まったのか、どのように収拾し、新たに革新する姿を見せるかを熟考すべきだ。そのうえで、国政の混乱を招いたことに対して、国民に謙虚な心で頭を下げなければならない。少なくとも今回の事態で表出した様々な民心に耳を傾け、真剣に受け止める姿を見せなければならない。責任を取って退くだけで事態を終わらせるのも良くないが、だからといって何もなかったように手をこまぬいているのはさらに問題だ。政府与党全体が状況の厳しさを認識し、省察と刷新に知恵を集めなければならない時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/914894.html韓国語原文入力:2019-10-29 02:40
訳H.J

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