ユン・ソクヨル検察総長がハンギョレを告訴したことに対し、「マスコミへの口封じ」を懸念し、再考を促す声が相次いでいる。
全国マスコミ労組は18日、「検察総長は告訴を取り下げなければならない」という声明を発表し、「報道内容に誤りがあれば、訂正や謝罪を求めるのは当然だ」としながらも、「しかし、検察総長がこれを判断する手段として告訴をするのは正しくない。言論仲裁委員会という手続きも踏まず、検察権を握っている検察のトップが刑事事件として今回の報道を告訴したのは、力で言論の制圧を図っているようにしか見えない」と批判した。さらに「検察とマスコミ、国民に対する責任について、各自が真剣に考えることを提案する」と述べた。
これに先立ち、ハンギョレは11日付で、ユン総長が建設業者のユン・ジュンチョン氏の別荘で接待を受けたというユン氏の供述があったにもかかわらず、検察がこれを十分に調査しなかったという疑惑を報道しており、ユン総長は報道当日、疑惑を報道した記者などを「出版物による名誉毀損」でソウル西部地検に告訴した。ユン総長は17日の最高検察庁国政監査で、ハンギョレに対する告訴と関連した質問に「取材過程を明らかにし、名誉を毀損したことについて紙面で謝罪すれば、告訴を維持するかどうかを再考する」と答えた。
マスコミ労組は、2カ月以上続いたチョ・グク事態で、何の声も出せなかった点についても謝罪した。労組は声明で、「国政監査でのユン総長の発言後、これ以上沈黙で責任を回避してはならないという結論を下した」とし、「これはさらなる混乱のためではなく、大韓民国の民主主義のための正しい道を模索するため」だと明らかにした。
さらに、「ハンギョレが17日、『取材報道倫理及び基準の点検のためのTFT(特別企画チーム)』を発足させた。マスコミ労組は、ハンギョレのこのような自発的な努力を応援し、支持する」とし、「マスコミと検察は権力であってはならない。今や検察やマスコミ、そして国会は国民と改革という言葉を思い出し、自らを省みる時だ」と強調した。
また、共に民主党も、ユン総長がハンギョレ記者を告訴したことについて、「マスコミに対する“口封じ”に見える恐れがある」とし、再考を促す論評を出した。共に民主党は「ユン総長は検察組職のトップだ。自分が告訴したものを自分で捜査するようなもので、総長の下命による捜査であるわけだ」とし、「現職の検察総長が記者個人を告訴することが持つ政治社会的意味を考慮し、再考してほしい」と主張した。