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本格始動する朝米実務協議…北朝鮮側代表「キム・ミョンギル」とは誰か

登録:2019-10-02 02:06 修正:2019-10-02 07:56
1980年代末から朝米懸案担当した「米国通」
2019年2月26日、2度目の朝米首脳会談のためベトナム・ハノイを訪問した北朝鮮の金正恩国務委員長が駐ベトナム北朝鮮大使館に立ち寄った際、金委員長に随行するキム・ミョンギル前大使(写真後方)//ハンギョレ新聞社

 5日に開かれる朝米実務協議で、北朝鮮の首席代表を務めるキム・ミョンギル氏は、今年2月末にベトナムのハノイで開かれた2回目の朝米首脳会談が合意に至らず、結局決裂する過程を北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のそばで見守った人物だ。

 キム・ミョンギル代表は、ハノイ会談が開かれた2月、ベトナム駐在北朝鮮大使として、金委員長がハノイに到着した瞬間から会談決裂の苦杯を飲んで平壌(ピョンヤン)に戻る瞬間まで、間近で最高指導者を補佐した。4月には4年間(2015~2019年)のベトナム大使としての任務を終えて平壌に復帰した。その後、ハノイ会談時に対米特別代表を務めたキム・ヒョクチョルの後任としてスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表と実務協議で本格的に会うことになる。キム代表は先月20日に本人名義で談話を発表し、その中でドナルド・トランプ米大統領の「新しい方法(a new method)」発言を指摘して米国の「新しい計算法」に対する期待を示しつつ、「結果について楽観したい」と述べている。

 キム代表は、1980年代末から北朝鮮の外交官として北朝鮮の核交渉に深く関与してきた「米国通」だ。2006~2009年の朝米間での対話や交渉が多かった時代に、米国務省と北朝鮮当局をつなぐ「ニューヨーク・チャンネル」を担当する国連駐在北朝鮮代表部次席大使を務めた。2007年には、次席大使としてクリストファー・ヒル米国務省東アジア太平洋次官補(当時)を相手に「バンコ・デルタ・アジア(BDA)対北朝鮮送金問題」を解決する成果をあげてもいる。

 6カ国協議をはじめ、朝米対話や交渉が複数回行われたクリントン、ブッシュ両政権時代には、実務者として交渉に参加した経験も多い。2000年10月にチョ・ミョンノク国防委員会第1副委員長が金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の特使として訪米した際には、代表団の一員に加わった。外務省米州局副局長、軍縮平和研究所の先任研究員を務めるなど、経歴の大半が米国関連業務だ。朝米の懸案を担当してきているリ・ヨンホ外相、チェ・ソンヒ第1次官とも以前から複数回にわたって仕事をしてきたことが、新しい実務協議代表の人選に影響したという分析が多く出ている。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/911672.html韓国語原文入力: 2019-10-01 20:20
訳D.K

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