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「北朝鮮核問題の解決に魔法はない…漸進的な忍耐が必要」

登録:2019-09-21 07:27 修正:2019-09-21 09:12
「DMZフォーラム2019」京畿平和共同宣言で閉幕 
DMZ平和賞を新設 
ムン・ジョンイン大統領特別補佐官
「過渡期の困難に耐えなければ持続的平和は不可能」 
「DMZフォーラム2019」が今月20日、「2019DMZフォーラム平和宣言文」を採択して閉幕した=京畿道提供//ハンギョレ新聞社

 ジョセフ・ユン元米国務省北朝鮮政策特別代表は20日、京畿道と京畿研究院が主催した「DMZフォーラム2019」の特別セッションの一つとして開かれた「朝鮮半島非核化の展望と課題」討論で、「ハノイ会談が物別れに終わってから、(年内)早期に朝米実務協議が行われるだろうし、(相互)合意が実現するものの、最終的合意よりは中間的合意になるだろう」と予想した。

 彼は「トランプは、来年選挙が行われる前に二つを示さなければならないが、第一は北朝鮮(問題)で、第二は米中貿易交渉だ。この二つの問題の解決目標に達しなければならない。北朝鮮は南北・朝米間の会談でも孤立状態が大きく変わらず、経済的・外交的制裁が続く状況で、経済は実質的な発展がなく、依然として貧困状態にある住民の問題を解決しなければならない」と述べた。トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の間で交渉を続ける内部的必要性のため、早期の実務協議と成果があるだろうということだ。第3回朝米首脳会談の成功のためには「実務交渉で、米国と北朝鮮が物別れに終わったハノイの会談から、それぞれプラスアルファを得られる方向で行われるだろう」とし、「このような協議については楽観的だが、非核化については楽観視できないと考えている」と述べた。

 彼は朝米間の実務交渉でスムーズな合意案として、朝米による「朝鮮半島における戦争終結宣言」と平和協定に向けた交渉▽朝米間の連絡事務所の設置という2つの案を提案した。

「DMZフォーラム2019」で「朝鮮半島非核化の展望と課題」めぐってムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官とジョセフ・ユン元米国務省対北朝鮮政策特別代表、ジークフリード・ヘッカー教授(左から)が討論をしている=京畿道提供//ハンギョレ新聞社

 スタンフォード大学のジークフリード・ヘッカー教授は同日、「北朝鮮の核の現況」と関連し、「北朝鮮の高濃縮ウランの年間生産力は150キログラムであり、インベントリー(核燃料の在庫量)は400~650キロに達するものと見られる」とし、「北朝鮮が高濃縮ウランを利用して年間6発の核爆弾を製作する力量を備えているとみられる。12発という話もあるが、それは違う」と述べた。

 ヘッカー教授は12年間、米国ニューメキシコ州にある核研究所の所長を務め、北朝鮮を7回訪問しており、このうち4回は直接、寧辺(ヨンビョン)の核施設を訪問して、北朝鮮の高濃縮ウラン施設を直接視察した。彼は「北朝鮮の核爆弾の製造能力について6回の原子力テストを行ったことなどから、十分可能だ」としながらも、「ミサイル発射実験が十分ではなく、グァムや米国まで到達できる水準ではない」と分析した。

 彼は、非核化の可能性については、「北朝鮮が核兵器を放棄した方が良いという体制保証が実現すれば、核兵器を放棄する可能性もある」としながらも、「実際に非核化を達成するまで、北朝鮮を説得することが必要だ」と述べた。ムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官は「(朝米間の交渉を控えて)米国などで悲観論が90%を超える状況で、ジョセフ大使とヘッカー教授の楽観論はかなり鼓舞的だ」とし、「実事求是の精神で北朝鮮の核問題を解決していくものの、北朝鮮核問題を解く魔法はないため、漸進的に忍耐心を持って問題にアプローチしなければならない。過渡期的な困難があるが、それを我々が耐えてこそ、我々が望む安定的で持続可能な平和が朝鮮半島に実現するだろう」と述べた。一方、「DMZフォーラム2019」は同日、「2019 DMZフォーラム平和宣言文」を採択して閉幕した。

 イ・ファヨン京畿道平和副知事らをはじめとする出席者らは「われわれは冷戦の遺産であるDMZが分断と対立の象徴ではなく、平和と協力を象徴する空間にならなければならないと主張する」とし、DMZの軍事的緊張の緩和▽西海経済共同特区および漢江河口の平和的活用と、開城(ケソン)工業団地、金剛山(クムガンサン)観光など既存の南北交流協力事業の再開、▽DMZのユネスコ世界文化遺産の登録に向けた取り組みを宣言した。

ホン・ヨンドク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/910327.html韓国語原文入力:2019-09-20 20:52
訳H.J

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