新任のロバート・オブライエン米国家安保担当大統領補佐官は18日(現地時間)、就任後の第一声で「力による平和」を強調し、ドナルド・トランプ大統領との“阿吽の呼吸”を予告した。「力による平和」はトランプ大統領が2016年の大統領選挙で掲げた外交安保部門の主要公約として、国防力の増強で最強米軍を再建することで、米国市民の保護を最優先に考えるという政策だ。
トランプ大統領は同日、ツイッターでオブライエン国務省人質問題担当大統領特使をジョン・ボルトン前国家安保担当補佐官の後任に任命すると明らかにしてから数時間後、カリフォルニア州訪問でオブライエン補佐官とともに取材陣の前に立った。トランプ大統領は「私が尊敬する多くの人々がオブライエンを最高の選択だと評価した。我々は非常に相性がいい」と述べた。それを受け、オブライエン補佐官は「我々はトランプ大統領の指導の下、驚くべき外交政策の成功を収めた。これが続くことを期待する」とし、「米国を安全に守り、我が軍隊を再建し、真の『力による平和』の態勢に戻るために、トランプ大統領と働くことを心待ちにしている」と述べた。強力な軍事力を基に米国の利益を貫こうとするトランプ大統領の「米国優先主義」基調を忠実に守るということだ。
弁護士出身のオブライエン補佐官はジョージ・W・ブッシュ政権時代の2005年、国連総会に米国代表団の一員として参加し、公職のキャリアを始めた。当時、米国の国連大使がボルトン前補佐官だった。オブライエン特使はブッシュ政権とバラク・オバマ政権時代に国務省の「アフガニスタン司法改革に向けた官民パートナーシップ」共同議長を務めた。今回のオブライエン補佐官の人選には、マイク・ポンペオ国務長官の支持が作用したとされ、ボルトン前補佐官の退任後は、ポンペオ長官の影響力がさらに強くなると見られる。
オブライエン補佐官は2016年に出版した『アメリカが寝ている間』という著書で、オバマ政府の対ロシア・中国外交政策を「宥和と後退」だと批判して、イランとの条約もアドルフ・ヒトラーが後になって無力化したミュンヘン協定に喩えるなど、タカ派的な観点を持っているという。しかし、前任者のボルトン前補佐官ほど強硬かつ独善的ではないと言われている。米政府高官はワシントンポストとのインタビューで、来年の大統領選挙を控え、国家安保チームが「劇的な」状況をできるだけ防ぐためには、オブライエン氏が「最も安全な選択」だと語った。彼がトランプ大統領の対外政策の方向に逆らわないということだ。サウジアラビアの石油施設襲撃とイランへの対応が最初の試験台になる見通しだ。
対北朝鮮政策においても、オブライエン補佐官はトランプ大統領の関与基調を忠実に支えるものと見られる。2016年の大統領選挙の際、オブライエン補佐官とともにテッド・クルーズ上院議員の党内選挙陣営で働いたハリー・カジアニス米国家利益センター(CNI)韓国研究局長はハンギョレに「オブライエン氏はかなり前から米国にとって最大の脅威は中国と見てきた」とし、「このため、朝鮮半島平和体制に移行する解決策が最善のアプローチであることに完全に同意するだろう」と話した。トランプ政府で、対北朝鮮問題はすでにポンペオ長官とスティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表という中心軸が定着した状況でもある。