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チョ・グク家族投資ファンド設立に「(株)イクソンが主導した情況」示す録音が出た

登録:2019-09-21 00:13 修正:2019-09-21 08:58
チョ・グクの親戚とイクソン副社長の通話 
設立資金の動員、迂回上場に関する対話 
検察、イクソン本社・役員を家宅捜索
先月27日夕方、ソウル市江南区のあるビルで検察関係者がチョ・グク法務部長官家族が投資した私募ファンドの運用会社コリンクPEの事務所の強制捜索を終え押収品を車に運んでいる//ハンギョレ新聞社

 チョ・グク法務部長官の家族が投資した私募ファンドの運用会社であるコリンク・プライベート・エクイティ(コリンクPE)の設立過程に、自動車部品メーカーの(株)イクソンが深く関与した情況が20日、明らかになった。コリンクは「チョ・グクファンドではなくイクソンファンド」「イクソンの迂回上場が目的の会社」という一部の主張を後押しする情況だが、予断するのは早いという分析も出ている。チョ長官の妻であるチョン・ギョンシム東洋大学教授が、2015年末に設立資金の一部を提供するなどコリンクの設立に深く関与した情況も大きいためだ。検察はこの日、イクソン本社とイクソンの役員の自宅などをすべて家宅捜索し、私募ファンド投資疑惑捜査を拡大した。

 ハンギョレはこの日、コリンクが設立される5カ月前の2015年9月にチョ長官の5親等の甥のJ氏(拘束)とイクソンのL副社長が交わした通話の録音ファイルを入手した。5分ほどの録音ファイルには、コリンク設立をどのように進めるか、資金動員はどうするかなどの内容が含まれていた。J氏とL副社長は先月、私募ファンドを巡る議論などが大きくなると、国外に出国した。

 録音記録によると、J氏に電話をかけたL副社長は「(イクソンの)会長にたった今すべて申し上げた。構図通り持っていったほうがいいとおっしゃって、中間に処理できることがあれば処理しろとおっしゃった」とし、「不協和音が続いているので上場後にしようと申し上げたが、(2015年)12月までに案を作ってみろとおっしゃった」と話した。コリンクの設立前だったためコリンクという名前は登場しないが、イクソンの会長にコリンクの設立と関連した構想などを報告し、裁可を受けたという説明だ。ハンギョレに録音記録を渡した同事件の関係者は、「当初コリンクの設立はイクソンを上場させるための性格が強かった」とし、「イクソンの会長の決定を通じてコリンクの設立が行われた情況を示している」と話した。

 録音ファイルには、コリンクの設立目的と関連したより詳しい情況も登場する。当時イクソンが、後にチョ長官の家族ファンドが投資したウェルズシーエヌティーを一緒に迂回上場する企業だと考え、投資者を集める問題を議論する内容だ。L副社長は別のファンド運用会社を取り上げ、「(投資の)関係を始めろと言ったじゃないか。それをお伝えしたら、(中略)あの方の立場としては投資しない理由がないんだ。片方だけでなく両方が金を稼ぐのだから…(中略)金は10億ウォンだから(中略)必要な時に別途話してくれとおっしゃった」と話している。

 通話は、L副社長が主に話をしJ氏がこれに答える形だった。コリンクの設立に関与した関係者は「コリンク設立当時、資金は相当部分がイクソンから来て、実務責任も(イクソンの)L副社長が負う構造だった」とし、「当時、J氏は実務実施とペーパーワークなどを主に担当した」と話した。

 一方、検察はこの日、忠清北道陰城(ウムソン)のイクソン本社とイ・ボンジク会長の自宅などに検察官と捜査官を送り家宅捜索した。イクソンの子会社である蓄電池陰極材料メーカーのIFMのK元代表の自宅も家宅捜索された。イクソンは自動車の吸音材を作っている現代起亜自動車の協力会社で、コリンク設立の主体という疑惑を受けている。私募ファンドから投資を受ける形で会計問題などを整理し、株式市場に会社を上場するためコリンクを設立したという疑惑がある。

 実際、2016年2月に設立されたコリンクは、最初の私募ファンドとして40億ウォン規模の「レッドコアバリューアップ1号」を作り、一部をイクソンに投資してイクソンの3大株主となった。この投資金40億ウォンがイクソンから出たという疑惑がある。

キム・ワン、イ・ジョンギュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/910358.html韓国語原文入力:2019-09-20 21:54
訳C.M

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