19日、アフリカ豚コレラの最初の確定診断から48時間が経ち、全国的に下された移動制限措置が解除された。京畿道坡州(パジュ)と漣川(ヨンチョン)の二つの農家のほかに確定診断や疑いのある農家は追加で出なかったが、依然として感染ルートなどが確認されておらず、農家は不安がっている。政府は、北朝鮮から韓国に流れてくる河川と発生農家近くのイノシシのウイルス検査を推進する。
農林畜産食品部はこの日午前6時30分に、全国6300あまりの豚農家などに発効された「一時移動中止命令」が解除されたと明らかにした。ただし、発生地域の坡州市と漣川郡は1週間の移動制限が維持される。発生地域を含め、重点管理地域に指定された接境付近の6つの市・郡の437カ所の豚飼育農場(70万匹あまり)については、農場の入り口ごとに統制所を設置して車両と人の通行を遮断する処置も続ける。農場の入り口と主要道路に生石灰を散布し、軍人と防疫人員を動員して消毒する。この地域では今後3週間、他地域への豚の搬出が禁止され、4カ所の指定屠殺場を通じてのみ屠殺・出荷される。疾病治療の目的を除いた人材の畜舎出入り制限措置も同期間続く。
農食品部は、移動中止命令が解除されこの日午後から卸売市場で豚の取引が正常に行われるとし、豚肉の価格が安定を取り戻すものと見通した。一時移動中止によって出荷できなかった物量が供給されるからだ。消費者価格は発生後、大きな変動はなかったことが分かった。17日と18日、卸売価格はそれぞれ32.6%、40.8%上がったが、同期間の豚三枚肉の消費者価格は100g当たり2013ウォンから2029ウォンに、また2044ウォンに小幅ながら上がったと調査された(全国19の市・道の45カ所の在来市場・大型スーパーの調査価格平均)。農食品部は「大型スーパーなどは1~2週間ほどの物量を確保していて、消費者価格に影響を与えなかった」と把握した。
問題は発生原因と感染ルートの確認が容易でない点だ。京畿道坡州と漣川の発生農家2カ所を出入りした車両(坡州19台、漣川13台)が慶尚北道や全羅南道など南部地方まで一部出入りしていたことが確認され、拡散の懸念も高まっている。農食品部はこの日、発生農家と「疫学的に関連した」農家や施設は全部で507カ所と明らかにした。潜伏期以内に車両が共通に出入りしたり、同じ飼料や屠殺場を使うなどの関係という話だが、接境付近の京畿・江原地域のほかにも、忠清南道(13カ所)、全羅南道(4カ所)、慶尚北道(3カ所)など南部地方にも関連農家や施設があった。
農食品部の関係者は「車両による疫学関係がある農場は、21日間家畜移動制限措置を下し、電話での予察と消毒を行って精密検査も実施し、徹底的に管理している」と説明した。関係者たちは、感染経路について疫学調査の最終結果が出るまで6カ月くらいかかるだろう話した。農食品部の関係者は、「野生イノシシの移動、残飯給与、人の移動など全般的に検討しなければならず、時間がかかる」と説明した。
一方、環境部は坡州の発病農家とは違い、漣川の農家の場合、近くでイノシシの活動があったとみて、北朝鮮から韓国に流れ込む周辺の河川などでウイルスを検査している。環境部はこの日、「国防部の協力を得て北朝鮮から流入する臨津江(イムジンガン)と漢灘江(ハンタンガン)、漢江(ハンガン)の河口をはじめ、発生農家2カ所の近隣の河川で試料を採取し、ウイルス検査を推進する」と明らかにした。河川水はウイルス検出率が低いが、存在するかどうかを確認することが重要だ。さらに、二番目の確定診断が出た漣川農家の場合、周辺の調査の結果、坡州の農家とは違ってイノシシが棲息するのに適した環境であることを確認したと環境部は明らかにした。環境部は、漣川の農家の周辺に捕獲枠を設置し、周辺のイノシシがウイルスに感染しているかどうかも検査することにした。