サムスンの労働組合活動弾圧に対する謝罪を要求し、ソウル江南駅交差点の閉回路テレビ(監視カメラ)の鉄塔に上り、70日以上座り込みを行っているキム・ヨンヒ氏(60)の闘争を支持する国外同胞の声明が出た。
オーストラリアのキャンベラに住むチョ・ソナさんなど国外22地域に住むろうそく関連団体55団体と個人271人は、キム氏の高所座り込み71日目の19日、「サムスンの解雇労働者キム・ヨンヒの高所座り込み問題解決のための共同対策委員会」を通じて、キム氏をはじめキム氏と同じ理由で地上で座り込みを続けている解雇労働者のイ・ジェヨン氏の名誉回復と名誉復職を要求する声明を出した。
自分たちを「セウォル号の真相究明と朴槿恵(パク・クネ)退陣闘争の過程で作られた」と紹介した彼らは「私たちの団体がまたこのように声を集めることになったのは、労働が尊重される社会を作るという文在寅(ムン・ジェイン)政権下でも、想像すらできない労働弾圧が何の制裁も受けず、いかなる解決の努力や成果も見えない惨憺たる現実の中で、ただじっと待ってはいられないという危機感を反映して」と明らかにした。さらに「サムスンの拉致、暴行、懐柔、金品撒布、やくざ動員など違法で非人間的な労組破壊行動は、大韓民国を越えて全世界の労働者の血と汗を搾取することに活用されており、こうした悪の連鎖を断ち切るために第一線に立っているサムスン解雇労働者のキム・ヨンヒ、イ・ジェヨンの闘争は、サムスンの違法な無労組経営と労組破壊に対抗し、最も大きな対蹠点を形成していると私たちは見ている」と声明を出した背景を伝えた。
彼らはこの日の声明書で、金属労組サムスン電子サービス支会の梁山(ヤンサン)分会長だった故ヨム・ホソク氏の死後、サムスンと警察が結託してヨム氏の遺体を奪取した事実とともに、サムスン電子がベトナムに進出し現地の労働者を弾圧した事実をまず取り上げた。続いて「現在、ひとりの労働者が彼の生と命をかけてサムスンの本質を知らせる闘争を展開しているこの瞬間にも、サムスンの実績低下と国家経済の危機を心配する声が高まっている」とし、「労働弾圧の第一線に立っているサムスン資本が国産品愛用と日本製品不買運動の恩恵を被るというアイロニーを見ている」と述べた。彼らは文在寅政府に向けて「サムスンの超一流労働弾圧を黙過し、労働が尊重される社会をどのようにして作ろうとしているのか問いたい。世界中が仰ぐ『交渉能力者』という賛辞が、なぜ労動者の血のにじむような闘争の過程に使われないのかと問いたい」とし、キム氏が安全に地上に降りてくるよう政府が乗り出してサムスンの謝罪を引き出すことを求めた。
キム氏はサムスン在職当時、労組設立を試みたという理由でサムスンが自分を拉致・暴行したのに続いて解雇したことに対して、真剣に謝罪し復職させることを要求し、6月10日に鉄塔に上り、この日まで71日間の高所座り込みを続けている。彼は56日にかけて命がけのハンガーストライキをし、先月27日に中断した。