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サムスン「労組は悪性ウイルス」軍事作戦式の破壊工作が明らかに

登録:2018-09-28 09:50 修正:2018-09-28 12:03
前・現職役員約30人と法人2カ所を起訴 
検察「創造コンサルティングよりさらに巧妙に瓦解工作」
キム・スヒョン公共刑事捜査部部長検事が27日午後、ソウル瑞草区ソウル中央地検でサムスングループの労組解体工作の捜査に関するブリーフィングを行っている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 サムスンの労働組合解体工作と関連し、イ・サンフン元サムスン電子経営支援室長(サムスン電子取締役会議長)などサムスングループと系列会社の前・現職役員らが、大挙して裁判に掛けられる。

 ソウル中央地検公共刑事捜査部(部長キム・スヒョン)は27日、サムスン電子サービス労組解体事件の中間捜査結果を発表し、このように明らかにした。検察はモク・チャンギュン元サムスン電子労務担当専務、チェ・ピョンソク・サムスン電子サービス専務、サムスン電子諮問委員のS氏、元警察庁情報局警察官のK氏など4人を労働組合および労働関係調整法違反の疑いで拘束起訴し、イ室長やカン・ギョンフン・サムスン電子人事チーム副社長、パク・サンボム元サムスン電子サービス代表取締役、チェ・ウス現代表取締役など28人を在宅起訴した。団体交渉の遅延などに加担した元労使対策本部長のN氏など韓国経営者総連合会関係者3人、サムスン電子とサムスン電子サービス法人も同時に起訴された。

 検察は今年初め、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の(株)ダース訴訟費の代納事件の捜査のためサムスングループを家宅捜索する過程で、「労組解体」戦略が書かれた数千件の文書を確保し、捜査に着手した。検察の捜査の結果、サムスングループ未来戦略室人事支援チームがコントロールタワーとなり、労組の解体工作を主導したことがわかった。未来戦略室は毎年「グリーン化戦略」(労組脱退の誘導)を骨子とする労使戦略を立て、各系列会社の役員や従業員などを対象に「無労組」教育を行うと共に、総合状況室と迅速対応チーム(QRチーム)をつくって、組織的に労組解体作業を推進したことが明らかになった。

 検察はサムスンが労組設立を「悪性ウィルスの浸透」と規定し、無労組の方針を“信念”化したものと把握した。未来戦略室が作成した「労使戦略文書」によると、「労組が作られてからでは解体させにくく、経営に莫大な支障をきたすため、事前予防だけが最善」と書かれている。また、グループレベルで労組解体「マスタープラン」を作り、段階別解体方法を動員するなど、“デパート式”工作を繰り広げていたことが明らかになった。検察は「サムスンが動員した戦術は『創造コンサルティング』(労組破壊専門労務コンサルティング会社)のケースよりもさらに巧妙で隠密な形で進められた」と評価した。検察が明らかにしたサムスンの労組解体の手法は、協力会社の廃業、組合員の再就職の妨害▽差別待遇、「心性管理」を口実とした個別面談などで労組脱退を勧める▽組合活動の理由で賃金削減▽韓国経営者総連合会と共同で団体交渉を遅延または応じない▽財産関係、妊娠しているかなどを査察して懐柔▽不法派遣を請負に偽装▽警察、協力会社、故ヨム・ホソク氏(梁山センター分会長)の父親の動員、などがある。

 検察は特に、サムスンが「活用可能なすべての外部勢力を組織的に動員した。労組は『傾いた運動場』で不公平なゲームをした」とまとめた。そして参与政府(盧武鉉政府)時代、雇用労働部長官政策補佐官を務めたS諮問委員から労組解体戦略を伝授される見返りとして諮問料13億ウォン(約1億3千万円)ほどを支給し、警察庁情報局警察幹部を通じて交渉を無力化した点を指摘した。

 検察は「サムスンは2013年にシム・サンジョン議員が暴露した『Sグループ労使戦略』文書に対して作成事実と存在を否定してきた」とし、「実際には暴露された文書と同じ内容の労使戦略文書を毎年作成してきた事実が確認された。これまで疑惑だけ提起されてきたサムスンの無労組経営方針に沿った労組解体工作の全貌が明らかになった」と発表した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/863532.html韓国語原文入力:2018-09-27 21:15
訳M.C

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