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北朝鮮でアフリカ豚コレラ発生を確認…当局「緊張」

登録:2019-06-01 02:56 修正:2019-06-01 07:16
政府「近いうちに対北朝鮮協議に着手する計画」
北朝鮮慈江道の北上協同農場の位置=国際獣疫事務局(OIE)提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮でアフリカ豚コレラ(ASF)が発病した事実が確認された。

 農林畜産食品部は、北朝鮮が先月30日、国際獣疫事務局(OIE)にアフリカ豚コレラが発生したことを報告したと31日に発表した。

 OIE発表資料によると、北朝鮮のアフリカ豚コレラ発生件数は1件で、今月23日に慈江道ウ時郡(ウシグン)所在の北上協同農場で申告され、25日に確定判定を受けた。同農場は北朝鮮の東北部地域で、中国の遼寧省に隣接している。

 農場内の飼育中の豚99頭のうち77頭がアフリカ豚コレラで病死し、22頭は殺処分された。北朝鮮は以後、移動の制限や封鎖地域および保護地域の予察、死体・副産物・廃棄物の処理、殺処分、消毒などの防疫措置を取ったと発表した。

 農食品部は31日午前8時、次官の主宰で緊急状況点検会議を開き、国境地域に対する防疫状況を再点検し、遮断防疫に必要な措置を協議した。さらに、国防部や環境部、統一部など関連機関の緊急会議を開き、状況の共有および協力策を話し合う方針だ。李洛淵(イ・ナギョン)首相は今月1日、イノシシなどを通じてアフリカ豚コレラが流入する恐れがある臨津江(イムジンガン)と漢江(ハンガン)河口の地域を訪問し、国境の地域防疫状況を点検する予定だ。

 アフリカ豚コレラは致死率が100%に達しており、予防ワクチンがないうえ、ウイルス生存力が非常に高い家畜の疾病だ。かつてはアフリカや欧州で発生したが、昨年下半期から中国やモンゴル、ベトナムにまで拡散した。今回、北朝鮮で発病の事実が確認されたことで、国内流入の可能性がいっそう高まった。

 これと関連し、イ・ユジン統一部副報道官は31日、定例記者会見で「近日中に、開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を通じて対北朝鮮協議に着手する計画」だと明らかにした。イ副報道官は「アフリカ豚コレラの査閲に関する防疫協力の意思を数回にわたり北朝鮮側に伝えた」とし、このように述べた。イ副報道官は「政府は北朝鮮内のアフリカ豚コレラの拡散防止に向けた南北協力を推進する準備ができており、北との協議が進められ次第、具体的な準備をしていく」と付け加えた。

 一方、北朝鮮当局は前日、国際獣疫事務局物保健機関にアフリカ豚コレラの発生事実を公式に報告したのに続き、31日付の「労働新聞」に「国際的な懸念を呼び起こすアフリカ豚コレラ」という見出しで、異例的に関連記事を3本掲載した。「労働新聞」は「高い発病率、様々な伝播経路」や「まだ見つかっていない効果的な防止対策」、「深刻な結果」と題する関連記事で、中国やベトナムなどで急速に広まっており、ワクチンがないという事実など、関連情報を詳しく報じた。しかし、北側の慈江道にアフリカ豚コレラが発生したという事実は触れなかった。

パク・キヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/896100.html韓国語原文入力:2019-05-31 19:08
訳H.J

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