「韓国映画100年を祝い、新しい100年に期待を抱かせる最大の快挙」
ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト』が26日(現地時間25日夜)、第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画史上初めて、最高賞のパルムドールを受賞した。今年で100周年を迎えた韓国映画が打ち上げた華やかな祝砲だ。
同日、フランスのカンヌで開かれた閉幕式で、『パラサイト』は全世界の耳目が集まる中、授賞式の最後に呼ばれ、パルムドールを受賞した。韓国映画がカンヌ国際映画祭で本賞を受賞したのは、2010年イ・チャンドン監督の『ポエトリーアグネスの詩』が脚本賞を受賞して以来、9年ぶりだ。
舞台に上がったポン・ジュノ監督は、「『パラサイト』は映画的な冒険だった。独特で新しい映画を作りたかったし、これは数多くのアーティストの協力がなければ不可能だった」と受賞の栄光を俳優とスタッフに捧げた。さらに「最も偉大な俳優であり、パートナーでもあるソン・ガンホ氏の感想をぜひ聞きたい」とし、『パラサイト』の主演俳優であると同時に、自分のペルソナと呼ばれる俳優、ソン・ガンホ氏を舞台の上に呼んだ。ソン・ガンホ氏は「忍耐と知恵、情熱を教えてくれた尊敬するすべての大韓民国の俳優にこの栄光を捧げる」と述べた。
ポン監督がカンヌでパルムドールを受賞したのは、1919年『義理的仇討』(キム・ドサン)以来今年でちょうど100年を迎えた韓国映画史に残る成果と評価される。2002年に『酔画仙』(イム・グォンテク)が監督賞を受賞したのを皮切りに、パク・チャヌク監督やイ・チャンドン監督、女優のチョン・ドヨン氏などが受賞するなど、カンヌと縁が深い韓国映画だったが、これまでパルムドールを受賞したことはなかった。ポン監督も閉幕式後に開かれた記者会見で「韓国映画初のパルムドールだが、ちょうど今年が韓国映画100周年になる年で、カンヌ映画祭が韓国映画に意味の大きい贈り物をしてくれたのではないかと思う」と述べた。
『パラサイト』は全員が無職であるキテク(ソン・ガンホ扮)一家の長男キウが、パク社長宅で高額の家庭教師として働くようになったことで起きる予期せぬ事件を描いたブラック・コメディーだ。コンペティション部門の審査委員長を務めるゴンザレス監督は、「『パラサイト』は予測できない方法で、複数のジャンルの中に観客を誘う。そして、韓国を背景にした映画だが、同時に全地球的にも緊急で私たちみんなの人生と関連がある何かを、効率的な方法で面白く描いている」と評価した。
韓国映画界は「今回の受賞が、韓国映画の発展のために献身してきた映画人たちの努力が得た結実でもある」と歓迎し、「韓国だけでなく、全世界を貫くポン・ジュノ監督の問題意識が、芸術的に認められた」と賛辞を送った。映画評論家のユン・ソンウン氏は「世界中の観客を楽しませるジャンル的快感とともに、貧富の格差など、現代の問題について幅広く考えさせられる作品だ。ポン監督はすでに頂点に立っており、今後も傑作を生みだせることを証明した」と評価した。