朴槿恵(パク・クネ)政権時代、情報警察が「4・16セウォル号惨事特別調査委員会(特調委)」の活動を妨害するために、「特調委報告書」を作成して2年にわたり大統領府に報告したことが明らかになった。当時、情報警察はセウォル号特調委と遺族を「政敵」として扱い、保守団体である父母連合を利用して特調委の活動を妨害する案まで提案していたことが分かった。
11日、ハンギョレが最近検察で参考人調査を受けたセウォル号特調委の関係者らを取材した結果を総合すると、朴槿恵政権時代に警察庁情報局傘下の情報警察は2014年末からセウォル号特調委活動を妨害するための情報報告文書を作成し、継続的に大統領府に報告した。李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵政権時代の情報警察の不法査察疑惑などを捜査中のソウル中央地検公安2部(部長キム・ソンフン)は最近、警察庁情報局の強制捜索を通じて当文書を発見した。
調査を受けた特調委の関係者らによると、情報警察はセウォル号特調委構成前の2014年10月頃から、セウォル号特調委が解散する2016年9月頃まで、継続してセウォル号特調委関連情報報告を作成し、大統領府に報告してきたことが分かった。
同文書には、セウォル号特調委関係者とセウォル号の遺族が“左派に偏向”したとし、“制圧”すべき対象として記録した内容が書かれていたという。当時セウォル号特調委委員長だったイ・ソクテ憲法裁判官に対し、「左に偏向しているので牽制しなければならない」と評価したり、セウォル号特調委の活動について「左に偏向しないよう制御しなければならない」などという内容だ。また、セウォル号特調委の委員構成について「参与連帯が主導して委員推薦のために動いている」と報告したり、特定セウォル号特調委員に対し「遺族の意向に合わせて動く人」と評価した内容も含まれているという。
特に、当時情報警察は保守団体を利用する積極的な「妨害アイデア」を提案した。文書には「(セウォル号特調委全員会議の)傍聴客の大半が左派系の人物であり、偏った雰囲気が感知され、執行部を煽っている」とし、「保守派団体を全員会議に参加させ、事務所前で集会中の父母連合のメンバーに出席が可能だということを知らせるべきだ」などの内容が書かれていたと、セウォル号特調委関係者が伝えた。実際、当時父母連合のメンバーらは、セウォル号特調委庁舍の前で長期間デモを行ない、セウォル号特調委に抗議の面談を申請するなど、持続的にセウォル号特調委の活動に反対する活動を行なった。
今回発見された文書は、大半のファイルがすでに削除されたため、文書全体の一部に過ぎないという。あるセウォル号特調委関係者は「文書全般においてセウォル号特調委と遺族を政府の『政敵』とする基調が明らかだった」とし、「国家機関だったセウォル号特調委活動に対する情報警察の評価と認識にぞっとした」と話した。
検察は9日に警察庁情報局を強制捜索するなど、「不法査察・政治関与」の疑惑がある情報警察に対する捜査に邁進している。検察は昨年初め、李明博元大統領所有の迎浦ビル内のダースの秘密倉庫を家宅捜索する過程で、李明博政権時代に情報警察が作った文書を発見し、捜査に乗り出した。最近は朴槿恵政権時代にも情報警察が不法な情報活動を行った情況をつかみ、調査している。