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「ハンソル製紙事故当日、被害者は一人で二回出動して死亡した」

登録:2019-04-05 09:35 修正:2019-04-05 13:27
ハンソル製紙労働災害死亡事故の原因は 
保全班の同僚いないままターンテーブルを点検 
同僚「一人勤務が日常」と供述 
警察「2人1組の守則が守られなかったもよう」 
会社「他の勤務者がいた」と主張 
警察、5日に国科捜と合同鑑識
ハンソル製紙長項工場の感熱胴のターンテーブル。Hさんは3日、真ん中のセンサー本体を点検するためターンテーブルの下に入り体が挟まれた。矢印の方向で包装された感熱紙ロールが転がってくるとターンテーブル全体が点線方向に90度回転しロールを押し出す=舒川警察署提供//ハンギョレ新聞社

 3日、20代の労働者のHさん(28・ハンソルEME電気保全班)が工場の機械に挟まれ死亡した事故が起きたハンソル製紙の長項(チャンハン)工場では、危険設備を点検するときに2人1組勤務規定が日常的に守られていなかったという現場の労働者の供述が出た。会社側は、事故当時現場にHさんが所属した電気保全班の同僚はいなかったが、他の現場勤務者がいたという理由を挙げ、2人1組の勤務が守られたと主張している。

 4日、警察関係者の話を総合すると、Hさんのある同僚は警察で「工場の機械の補修の要請が多く、一人で現場に出動するのがほとんど」だと供述した。「一人勤務」が日常的に行われたという説明だ。実際に事故当時、Hさんは一人で出動し、ベルトコンベアーのターンテーブルの下に入って事故に遭った。一緒に出動した保全班の同僚はいなかった。Hさんは3人1組で4組3交代勤務をしてきた。Hさんはこの日午前0時から8時まで、電気パート2人、機械パート1人など同僚3人と同じ組になり、夜間勤務をしていたところだった。

 事故の前にHさんはさらに一度、事故地点で機械を一人で点検したことが分かった。3日午前3時、感熱胴のT2ターンテーブルが誤作動を起こし、Hさんは一人で出動し、ターンテーブルの下に入って出てきた。さらに一時間後の午前4時1分、同じ所に再び入り、結局出てくることができなかった。事故当時現場にいた勤務者は警察で「ベルトコンベアーが反対に作動して修理を要請した。Hさんが来て機械装置を見て回り、自動スイッチを手動に転換してほしいと言い、スイッチを回した。Hさんがベルトコンベアーのターンテーブルの下の円盤がある所を調べていたら急に円盤が回転し、Hさんが事故に遭った」と供述した。

 事故当時、2人1組の勤務が守られなかったことについて、ハンソル製紙側は4日、「保全班は2人1組の勤務が原則」だとしながらも「工場の規模が大きく、誤作動など出動要請が多いのは事実だ。事故当時、Hさんは保全班の同僚ではないが、機械の使い方をよく知っている現場勤務者と一緒にいたので、2人1組勤務をしたものと見るべきだ」と主張した。Hさんがターンテーブルの下に下りた理由については「ターンテーブルのセンサーは上から点検することができるのに、なぜHさんが危険区域に下りたのか分からない」と説明した。

 しかし、Hさんのある同僚は警察で「一人で現場に出動する場合がほとんど」だとし、「センサーの『本体』を点検するためにHさんがターンテーブルの下に下りたものと思われる」と供述した。Hさんが電源を切らずに作業を行った背景について、会社側は「補修するときは電源を遮断するが、点検するときは電源がつながっていなければ故障原因を探せない」とし、「当時、Hさんは点検をしていた」と説明した。

ハンソル製紙長項工場の全景=ソン・インゴル記者//ハンギョレ新聞社

 忠清南道舒川(ソチョン)の警察署と保寧(ポリョン)雇用労働支庁は、電気保全班の勤務日誌と事故現場の映像を確保し、2人1組勤務が行われたかなどを調査している。また、現場の労働者が手動で転換したターンテーブルが誤作動した原因を明らかにするため、5日、国立科学捜査研究院と合同鑑識をし、Hさんの正確な死因を明らかにする解剖も行う予定だ。

 チェ・ジョンチョン舒川警察署捜査課長は「事故当時、2人1組勤務の原則が守られなかったものとみられる。事故原因を明らかにする捜査をしており、違法行為が明らかになればハンソル製紙とハンソルEMEの関係者を業務上過失致死容疑で立件する方針」だと話した。

ソン・インゴル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/888821.html韓国語原文入力:019-04-05 07:16
訳M.C

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