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“危険の外注化防止法”審議に難癖…自由韓国党議員「これでは国が滅びる」

登録:2018-12-22 08:39 修正:2018-12-22 09:35
環労委、産業安全保健法全部改正案の審査を開始 
経総「請負禁止は憲法違反…雇用にも否定的」 
イ・ジャンウ議員「国家競争力への影響を検討していない」 
与野党、意見の相違に大声飛び交う...24日再審査へ
21日午前、国会環境労働委員会・雇用労働小委員会で開かれた産業安全保健法改正案関連の公聴会で、イム・イジャ小委員長が会議の開始を知らせている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「危険の外注化」を防ぐために政府が提出した産業安全保健法(産安法)全部改正案の審査が21日、国会環境労働委員会・雇用労働小委員会で本格化したが、「過剰立法、でたらめな法案」(イ・ジャンウ自由韓国党議員)、「事業主から犯罪者が量産される懸念」(韓国経営者総協会)など、保守政党と財界の激しい反発にぶつかった。今月11日、韓国西部発電の泰安(テアン)火力発電所の下請け会社に所属する非正規職労働者キム・ヨンギュン氏が死亡した後、国会で遅まきながら対策作りに乗り出したが、政府が28年ぶりに出した全部改正案の成立に困難が予想される。

 環境労働委・雇用労働小委委員長であるイム・イジャ自由韓国党議員はこの日午後6時、小委の非公開審査を終えた後、「共に民主党は政府の全部改正案にしようと主張し、残りの野党は現行法改正案にしても十分だという立場」だとし、「ひとまず内容を審査した後、どう盛り込むかを決める」と述べた。元請けの安全管理責任を強化する内容を全般的に盛り込んだ「全部改正案」の代わりに、現行の産安法の一部だけを見直して処理する可能性を開いておいたものだ。イム議員は「今日、公聴会で意見を聴取したところ、政府の全部改正案はいろいろと不十分だという指摘が多かった」とし、「24日の小委で再び議論することにした」と述べた。

 2016年5月、ソウル地下鉄2号線九宜(クウィ)駅でホームドアを修理していた下請け会社の非正規職のキムさん(当時19歳)の死亡事故後、「危険の外注化」を防ぐ法案が発議されたが、国会で十分に審査されなかった。これを受けて政府は先月1日、元請けの安全保健措置責任を増やし、労働災害による死亡事故が発生した場合の事業主の処罰を強化し、有害・危険作業に対する請負を原則的に禁止する内容を骨子とする産安法の全部改正案を国会に提出した。

 しかし、この日本格的な審査が始まると、韓国党が激しく反対した。イ・ジャンウ議員は環労委小委会議で「政府の全部改正案をよく検討したが、ひどい過剰立法で概念がきわめて曖昧だ」とし、「国家競争力に与える影響に対する検討がまともに行われていない」と述べた。イ議員は「最低賃金の急激な引き上げ、週52時間制の強行などで雇用市場は完全にめちゃくちゃで、経済が奈落に落ちており、これでは国が滅びる」と言い、「政府が提出した産安法(全部)改正案をとうてい審議できない」と述べた。非公開会議では与野党の意見の違いで大声が飛び交いもした。

 これに先立ち午前に開かれた公聴会では、財界が産安法の政府案に反発した。財界代表として出た韓国経営者総協会のイム・ウテク安全保健本部長は、有害・危険作業の請負禁止について、「企業は該当企業に最も適した形態を自由に選ぶのが原則だが、(請負が禁止されれば)憲法に反する素地が大きい」と主張した。「請負禁止の対象となる下請け労働者の雇用にも否定的な影響を与える」と述べた。また「事業主は現行の法律をすべて順守することも難しいのに、元請け事業主の責任を拡大すれば犯罪者が量産されることが懸念される」と主張した。

 労働界の代表として出た民主労総のチェ・ミョンソン労働安全保健室長は、「死亡事故発生時の刑事処罰と関連し、政府が(産安法)立法を予告したときは下限刑(1年以上の懲役)があったが、国会には削除されて入ってきた」とし、「処罰条項が現場で作動するためには最低限下限刑が入らなければならない」と話した。チェ室長は「請負に対する根本的な解決がなければこの問題は解決できない」とし、「政府の全部改正案が真剣に論議され、早急に可決される必要がある」と強調した。

 環労委は、元請けの責任および処罰強化のレベル、重大災害発生の差し迫った危険がある時、労働者に作業中止権を実質的に与えるか、化学物質製造・輸入に関する物質安全保健資料(MSDS)の政府提出の有無など、財界と労働界が対立する事案をめぐり、議論を続ける。今月27日に国会本会議での処理を目標としているが、最終案の導出までには難航が予想される。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/875426.html韓国語原文入力:2018-12-21 20:43
訳M.C

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