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元法務部次官などの性接待事件、“再捜査”へ…外圧・隠ぺい疑惑も調査

登録:2019-03-19 09:18 修正:2019-03-20 16:29
文大統領、パク・サンギ法務部長官の報告を受け 
「公訴時効に関わらず明らかにすべき」 
事実関係の捜査が不十分だったとの判断か 
検察など「再捜査」になる可能性が高い 
 
検察過去事委の活動、2カ月延長することに 
最高検察庁調査団、強制調査権なく限界 
約10年前の事件の公訴時効も壁
パク・サンギ法務部長官が18日午後、大統領府で法務・行政安全部の業務報告をしている=2019.03.18.大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 キム・ハグィ元法務部次官の性接待疑惑と故チャン・ジャヨンさんの性接待リスト事件に対する「全面再捜査」の可能性が高まっている。両事件を調査中の法務部検察過去事委員会および最高検察庁真相調査団が「再捜査勧告」を行い、続いて検察など捜査機関の再捜査が続く見通しだ。

 法務部検察過去事委員会は18日、法務部で会議を開き、活動期間を2カ月延長する方向で意見をまとめた。当初、今月末に活動を終わらせようとしたが、両事件などに対する真実究明世論が非常に強いことを考慮した決定とみられる。さらにこの日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が両事件を直接名指しし、「検察や警察など捜査機関の故意的不十分捜査、真実究明を妨げる庇護・隠蔽疑惑」について言及し、「ポケットの中をひっくり返すように明々白々に明らかにしてほしい」と指示し、状況が変わった。検察の内外でも再捜査が不可避になったのではないかという分析が出た。

 ただし、実体的な真実究明までには相当な時間が必要で、捜査範囲も制限的にならざるを得ない。現在、調査を進めている最高検察庁真相調査団は、期限を延長してもキム元次官など主要関係者に対する強制調査の権限がなく、限界がある。実際、キム元次官は15日の真相調査団の調査に応じなかった。強制捜査権のある検察などが再捜査に着手したとしても、10年余り前に発生した事件であり、あらゆるところで「公訴時効」という壁に突き当たるしかない。

 これに先立ち、パク・サンギ法務部長官はこの日、文大統領にキム・ハグィ元次官の事件と関連して、2013年と2015年の捜査機関の不起訴処分の過程および問題点などを詳しく報告したという。当時、検察で強姦や不法撮影の疑いなどを忠実に調査しなかった疑惑があるということだ。また、関連容疑が認められないという理由で、問題の動画の中の男性がキム元次官なのかどうかなど、基本的な事実関係さえきちんと明らかにしなかった問題も指摘された。文大統領がこの日、公訴時効と関係なくまず真実を徹底的に明らかにしてほしいと指示したことも、このような疑惑を念頭に置いた措置と見られる。

 キム・ハグィ元次官の事件の場合、特殊強姦罪は2007年12月の法改正で公訴時効が10年から15年に延びた。過去、告訴人が主張したキム元次官の関連する容疑の中には2008年のものもあり、再捜査が可能だ。2013年3~11月の警察や検察の捜査過程で「外圧」があったかどうかも再捜査の対象になる。職権乱用権利行使妨害罪の公訴時効が7年だからだ。当時法務部長官だったファン・ギョアン自由韓国党代表の関連有無を究明しなければならないという政界の要求も影響を与えうる。キム元次官は、ファン代表の京畿高校時代の1年先輩だ。

 故チャン・ジャヨンさん事件は、強制わいせつ・強要罪など公訴時効がほとんど過ぎている。ただ、昨年5月に同事件を調査した検察過去事委が、いち早く公訴時効が迫った一部強制わいせつ事件の検察再捜査を勧告している。検察はこれによって、2009年に検察・警察捜査当時、チャンさんに強制わいせつ行為を行った容疑で逮捕されながら証拠不十分という結論が出た記者出身のC氏を再捜査し、昨年6月に起訴した。18日に開かれたC氏の1審裁判にはチャン・ジャヨンさんの同僚の俳優であるユン・ジオさんが証人として出席した。

文在寅大統領が18日午後、大統領府で法務・行政安全部の業務報告を受けた後、指示事項を伝えている=2019.03.18.大統領府提供//ハンギョレ新聞社
チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/886413.html韓国語原文入力:2019-03-18 20:50
訳M.C

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