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北朝鮮の最新スマホ「平壌2423」使ってみて“びっくり”

登録:2019-03-11 20:52 修正:2019-03-12 08:11
イヤホン、ケーブルと共に2年間の保証書も 
外国語、天気、娯楽など23個のアプリ 
手袋でのタッチスクリーン操作機能も搭載 
1300万画素の高性能カメラには顔補正機能も 
ソフトウェア水準高く…バッテリーのもちが短いのが弱点
北朝鮮の最新型スマートフォン「平壌2423」と取扱説明書//ハンギョレ新聞社

 「中国産の部品で組み立て粗雑な作り」と評価されている北朝鮮製のスマホの実体は?ハンギョレは6日、昨年北朝鮮で発売された最新型スマートフォン「平壌2423」を入手し試用することができた。

 まず、平壌2423の外見は、韓国国内で簡単に購入できる普及型スマートフォンのようだった。チェコム技術合営会社が作ったこの製品は、イヤホン、充電ケーブル、充電器、取扱説明書、画面保護フィルムと共に黒い箱に入れて消費者に届けられる。プラスチック製のスマホカバーも付属して“担保期間”2年の保証書も付いてくる。

 グーグルのアンドロイドOSを搭載し、カメラ、動画、録音機、羅針盤、カレンダー、記録ノートなど20個のユーティリティなど23個のアプリが基本でインストールされていた。「白頭山(ペクトゥサン)叢書」と「光明(クァンミョン)図書」などの体制宣伝用アプリもあるが、朝鮮語・多国語・中国語・漢字辞典や英語・中国語の学習アプリ、文書とエクセル、パワーポイントまで作れる「事務処理(オフィス)」アプリ、天気を知らせる「気象情報奉仕」アプリ、娯楽アプリなど、多様なアプリが提供されている。英語学習アプリを起動すれば「外国語をよく知ろう」という金日成(キム・イルソン)主席の“お言葉”と共に“Be動詞”に関する学習メニューが出てくる。「怒った鳥」という娯楽ゲームはアングリーバードと似ているように見えた。

平壌2423にインストールされているアプリ//ハンギョレ新聞社

 アプリの中の「私の旅仲間4.1」は断然目を引く。北朝鮮の宣伝メディア「朝鮮の今日」は昨年、このアプリが「三興情報技術交流所の一群と研究家」が開発した「総合閲覧プログラム」として、「時間と場所にかかわらず図書を聴取したり芸術公演も視聴し、思想・精神的に一層修養」できると紹介した。150個余りの娯楽とナビゲーションの「旅の友1.1」、演算クイズの「暗算妙手」、ホームトレーニングを指導する「30日身体鍛練1.0」などのプログラムも24種ある。これに加えて、外国文学(104)、朝鮮文学(241)をはじめ医学図書、児童文学、専門分野図書まで1500冊以上の図書と900編を超える映画などの「映像物」および669曲の「画面伴奏音楽」まで多様な構成だ。数年前まで「三池淵(サムジヨン)」など北朝鮮製のタブレットPCに「金日成全集」など体制宣伝用図書中心のコンテンツが基本として提供されたこととは対比される。

平壌スマートフォン2423(左)と韓国の携帯電話で自撮りして比較した//ハンギョレ新聞社

 平壌2423にインストールされたアプリのうち、一部の無料コンテンツを除いてはイントラネットを通じてオンライン購入できるようになっていた。北朝鮮専門オンラインメディア「NKニュース」が掲載した金日成総合大学のニュージーランド留学生アレック・シグリー(Alek Sigley)の「北朝鮮生活記」によれば、オフライン売場を通じたアプリ購買が普遍的と紹介されており、オンラインを通じた購買は最近導入されたと見られる。

平壌2423の“保険証券”。保証期間2年でアフターサービスを保証する//ハンギョレ新聞社

 この他に「手袋機能」を設定すれば、手袋をはめたままタッチスクリーン操作が可能という点も目につく。1300万画素の高性能カメラは、「顔補正機能」があり、写真を撮る時に「滑らかに、白く、スマートに、目を大きく、逆光」などオプションを選択できるようになっている。昨年「人物写真モード」を導入して好評を得たメーカーの最新型スマートフォンと比較しても遜色なかった。北朝鮮の移動通信技術分野の専門家イ・ヨンファン元富士通専務は「私たちの基準で見れば特別なものではないといえるが、実はソフトウェアの水準がとても高い」と評価した。短所としてはバッテリーのもちが短いという点を挙げた。ブルートゥース機能もあるが、現地でどのように使われているかは確認できなかった。

キム・ジウン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/885344.html韓国語原文入力:2019-03-11 15:17
訳J.S

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