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文大統領「天国でヨンギュンさんが『それでも自分が少しは役立てた』と思えるように」

登録:2019-02-19 09:35 修正:2019-02-19 12:49
18日、キム・ヨンギュンさんの遺族と大統領府で面談 
「命と安全を利益より重視する制度を作らなければ」
文在寅大統領が18日午後、大統領府本館で泰安火力発電所で作業中に事故死したキム・ヨンギュンさんの母親を抱きながら慰めの言葉をかけている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が18日、昨年12月に泰安(テアン)火力発電所で事故死した非正規職労働者のキム・ヨンギュンさんの遺族に大統領府で会い慰めの言葉をかけ、「命と安全を利益より重視するように制度を作らなければならない」と述べた。

 文大統領はこの日、遺族に対し「キム・ヨンギュンさんの死が無駄にならないよう、私たち全員が努力しなければならない」と述べたと、キム・ウィギョム大統領府報道官が伝えた。

 文大統領は「24歳の若さのキム・ヨンギュンさんの無念の事故のニュースを聞き、胸が痛んだ。特に、初出勤を控えてスーツを着てみながら希望に満ちた様子だった動画を見ていっそう胸が痛んだ」と述べ、「それでも子どもを失った親の痛みをすべて推し量ることはできない。この場を借りて心から哀悼の気持ちを表したい」と慰めた。文大統領がキムさんの遺族に会ったのは、事故から71日、葬儀から9日目のことだ。文大統領は昨年12月28日、キム報道官を通じて「キム・ヨンギュンさんの母親など遺族に会い、慰労と遺憾を伝える意思がある」と明らかにしていた。遺族と「故キム・ヨンギュン市民対策委」は、政府と共に民主党が最近、「キム・ヨンギュン死亡後続対策」を発表した後、葬儀を執り行い文大統領との面談を要請した。

 文大統領は遺族との面会で「公共機関の評価の際、命と安全が第1の評価基準になるようにし、非正規職の正規職への転換も速度を上げる」とし、「そうしてこそヨンギュンさんが天国で『それでも自分が少しは役立てたんだ』と考えられるのではないだろうか」と述べた。

 キムさんの両親は、文大統領に真相解明と責任者の処罰が行われるようにしてほしいと頼んだ。父のキム・ヘギさんは「文大統領がヨンギュンの無念の死を分かっていて下さって本当にありがたい」と言い、「真相究明と責任者の処罰がなされ、もう(キムさんの)同僚たちが無念の死を遂げないようにしてほしい。花盛りの年齢で絶対に命を失わないようにしてほしい」と話した。母のキム・ミスクさんも「ヨンギュンがあまりにも劣悪な環境で死んだため、悔しすぎて胸に大きな火のかたまりができた」と言い、「せめて真相調査はきちんとなされるよう、大統領が念入りに取りまとめてほしい。責任者も処罰できるよう重大災害企業処罰法を作り、生死の岐路に立っているヨンギュンの同僚たちがもう死なされることがないようにしてほしい」と頼んだ。45分間の面談が終わった後、文大統領は本館の玄関前まで遺族を見送り、車が離れる姿を最後まで見守ったと、キム報道官は伝えた。

 キムさんの遺族と市民対策委は文大統領との面談後に記者会見を開き、「ようやくひとつの峠を越えた」と評価した。母のキム・ミスクさんは「大統領が本心から(真相解明と責任者の処罰を)してくれると思い、安心して(面談会場を)後にした」と話した。市民対策委のパク・ソグン共同代表は、「大統領が『タワークレーン事故が数年前に深刻だったが、集中的に注意を払ったところ、事故が起きても人が死亡する事例が減った。危険の外注化問題も集中的に注意を払えば改善されるのではないか』と述べた」と、文大統領の発言を紹介した。

ソン・ヨンチョル、オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/882613.html韓国語原文入力:2019-02-18 21:07
訳M.C

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