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労働新聞「金正恩の非核化決断は、後戻りのない道」

登録:2019-02-17 22:21 修正:2019-02-18 07:06
「不可逆的決断」の意味を強調 
「既成観念打破した新方式」 
「ゴルディアスの結び目」切った 
アレクサンダー王に比喩も
金正恩国務委員長//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の「労働新聞」が、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「朝鮮半島非核化という予想外の破格的決断」は「背を向けたり後戻りすることのない道」と明らかにした。金委員長が昨年、3回の南北首脳会談と朝米首脳会談、今年の新年の辞などで明らかにした「完全な非核化」の意志が「不可逆的決断」であることを強調したということだ。

 金委員長が繰り返し約束した「完全な非核化」の意味と背景を解説する記事が労働新聞に掲載されたのは今回が初めてだ。労働新聞は、4・27板門店宣言、6・12朝米共同声明、9月平壌共同宣言の全文を載せる方式で、金委員長の「完全な非核化」の約束の事実を紹介したが、その意味を解説する文は載せなかった。2回目の朝米首脳会談を控え、北朝鮮で最も権威あるメディアである「労働党中央委員会機関紙」の「労働新聞」がこのような前例のないメッセージを発信した背景に注目が集まっている。外交安保分野の高官は17日「非常に重要な意味が込められた文」と評価した。

 労働新聞は13日付5面に掲載された「金正恩将軍、平和の新しい歴史を書く」という長文の寄稿文で、金委員長の「非核化決断」を「ゴルディアスの結び目」切断に比喩した。労働新聞は、アレクサンダー大王がゴルディアスの結び目を切断したギリシャ神話には「既成観念の打破に対する肯定的評価が込められている」と解説した。そして、金委員長の歩みを「既成の観念と根深い敵対意識を火で燃やす果敢で新しい闘争方式」と規定した。特に労働新聞は「平和への道は艱難辛苦で時には高価な犠牲を伴いもする」とし、「前途が遠いからといって座り込むことはできず、休んでいることもできず、試練と難関が立ち塞がっているからといって背を向けたり後戻りすることはできない道」と強調した。米国・国連の制裁が変わっていない状況を問題視する一部の内部勢力の憂慮と不満に釘を刺すような表現だ。

 寄稿文の筆者は、労働新聞の論評員や記者ではない「在日同胞 オ・ジンソ」とされている。この文の核心メッセージが呼び起こす内部世論の“衝撃”を緩和するための安全装置と解説される。“人民の必読新聞”に載せられた文らしく、論理が北朝鮮式だ。「米国と強力な力の均衡を成し遂げた共和国の戦争抑止力」が「戦争と対決、不信と誤解の悪循環を一挙に壊してしまった平和の宝剣」という主張がその代表例だ。ただし「共和国の戦争抑止力」を強調しながらも、金委員長の非核化の意志を確信できない外部の視線を意識したように「核抑止力」という表現は努めて避けた。

 労働新聞のすべての文は、労働党宣伝煽動部の検討と承認を経る。したがって「在日同胞寄稿文」という形式であっても、実際には金委員長を含む「党中央委」の意中が込められた文といえる。

 一方、金委員長は16日、金正日国防委員長の誕生記念日である「光明星節」に合せて錦繻山(クムスサン)太陽宮殿に参拝したと労働新聞が伝えた。参拝には党中央委のチェ・リョンヘ副委員長、金与正(キム・ヨジョン)第1副部長など「組織指導部と宣伝煽動部の人々」が共にした。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/882494.html韓国語原文入力:2019-02-17 20:30
訳J.S

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