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[ニュース分析]“危機”に陥った社会的対話…2月がヤマ場

登録:2019-01-30 09:52 修正:2019-01-30 12:17
民主労総、韓国労総も「不参加」 
2月に争点の法案が論議されれば、政労が衝突する懸念 
しばらく“冷却期”だが「政府が手を差し出す可能性もある」
今月28日夜、ソウル江西区のKBSアリーナホールで開かれた民主労総の定期代議員大会で、経済社会労働委員会参加の件に対する修正案3件がすべて否決され、壇上で中央執行委員会会議が開かれている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 全国民主労働組合総連盟(民主労総)の経済社会労働委員会(経社労委)への参加が再び取りやめになり、社会的対話も、民主労総のキム・ミョンファン指導部も危機に面した。民主労総が加わって政労使が完全に参加する社会的対話が難しくなり、政労使の対立を解消することも難しいという見方が出ている。

 政府との関係を示す社会的対話に対する民主労総の代議員の決定が、1年の間に明らかに変わった。昨年2月6日に開かれた第66回定期代議員大会では、民主労総の事業基調から「社会的対話」を除こうという修正案には31%だけが賛成した。残りの代議員の70%ほどは、社会的対話を支持した。その反面、28日の第67回代議員大会では、経社労委の「事実上の参加案」に44%だけが賛成した。

 韓国労総の社会的対話に対する態度も変わりつつある。29日、韓国労総は「政府の労働政策の後退が社会的対話を困難にする」と、以前より強く政府の責任を問いかけた。韓国労総はこれに先立ち、経社労委傘下の委員会への不参加を宣言した。昨年初めに政労使代表者会議が発足してから1年で、「社会的対話」は深刻な危機に陥った。

 弾力労働制の拡大、最低賃金決定体系の改編、国際労働機構(ILO)の核心協約の批准など、主要な争点の法案に対する国会論議が本格化する来月が、政労の対立のヤマ場になるとみられる。韓国非正規労働センターのイ・ナムシン所長は「さまざまな労働法が、労働界が見て改悪されるなら、韓国労総も経社労委への参加を考え直すようになる」とし、「昨年下半期以降、労働政策のコントロールタワーが崩れた感じ」だと述べた。韓信大学のノ・ジュンギ教授(社会学)も「過去の政府と現政府の重要な違いは、民主労総指導部に対する法治的対応、すなわち公権力をまだ使っていないということだ」とし、「労働界の要求をふるいにかける機構である経社労委がなくなり、2月に衝突が懸念される」と指摘した。

 問題は政府と与党の「態度変化」が容易でないことにある。政府は弾力労働制拡大の2月の国会処理を公言してきた。大統領の公約である国際労働機構の核心協約の批准は、経営界の要求に足を引っ張られている形だ。ストライキ時の代替労働の許容、団体協約の有効期間拡大といった国際労働基準に反する基準を経営界が要求し、労働界が反発しているが、政府・与党は仲裁能力を発揮できずにいる。社会的な対話が難しくなり、このような状況はさらに悪化するものと見られる。

 しかし、社会的会話の可能性が完全に閉ざされたわけではない。経社労委関係者は「民主労総の参加とは関係なく社会的対話の必要性も依然としてあり、続けていくしかない」と述べた。29日、雇用労働部も「残念なことに民主労総が経社労委には参加できなくなったが、もう一つの軸である労働界代表の韓国労総とともに経社労委の話し合いを継続する一方、民主労総ともさまざまなチャンネルを通じて疎通するなど、社会的対話に参加できる環境づくりに最善を尽くす」と立場文を出した。

 しばらく続く冷却期間後、政府が再び民主労総に手を差し出す状況が来るという予想もある。ノ・ジュンギ教授は「過去1999年と2005年に民主労総が社会的対話機構を離れた時も、政府が労使政委員会法を作り代表者会議の形態で参加の道を開くなど努力してきた」とし、「これまでのように絶えず政府が労働界に社会的対話を求める様相は、労働の地位が過去とはっきりと変わったということを意味する」と述べた。

パク・ギヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/880389.html韓国語原文入力:2019-01-29 20:58
訳M.C

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